第八十五話 瓶割り柴田その十一
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いですから」
「どんな我慢大会じゃ」
慶次にだ。叔父の前田が言ってきた。
「そんなものはいらぬわ」
「いりませぬか」
「少なくとも今暑い話はいらんわ」
そう言いながらだ。前田はあるものを出してきた。それは。
緑と黒の縦縞の丸いものだった。それこそはだ。
「ほれ、これでも食って涼め」
「むっ、西瓜か」
「それを食うのか」
「そうじゃ。皆で食おうぞ」
その西瓜を前にしてだ。前田は佐々と川尻にも述べた。
「暑い時は何といってもこれじゃ。どうじゃ」
「よし、ではわしが切る」
柴田がだ。満面の笑みで言ってきた。
「そのうえで皆で食おうぞ」
「はい、それでは」
「今より」
こうしてだ。野洲川での戦いに勝った織田家の者達は今は涼む宴を楽しんでいた。そうしてそのうえでだった。勝利で手に入れるものを待つのだった。
伊賀は程なくして林兄弟の話を受けた六角が降ったことで織田家のものになった。こうして柴田達は己の務めを果たしだ。意気揚々と都に戻るのだった。
第八十五話 完
2012・3・31
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