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戦国異伝
第八十五話 瓶割り柴田その六
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れていた。そしてそれを見てだ。
 対岸にいる佐久間はだ。鋭い目で己が率いる軍勢に告げた。
「今じゃ」
「はっ、それではです」
「今より」
「そうじゃ。川を渡る」
 彼等もだ。そうするというのだ。
「そしてそのうえでじゃ」
「権六殿の軍勢と共にですか」
「六角の軍勢を攻めますか」
「今がその時じゃ」
 佐久間は見逃さなかった。その時をだ。
「ではじゃ。よいな!」
「おおーーーーーーーっ!」
 歓声と共にだ。対岸の兵達も動いた。そうしてだ。
 夏の乾きで水かさが少なくなっている川に入った。川は膝までもなかった。
 そしてその川を駆けていきだ。彼等は柴田の騎馬隊の攻撃により乱れている六角の軍勢に向かった。彼等のその動きを見てであった。
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