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魔王の友を持つ魔王
§16 ペルセウス、もといサルバトーレあとしまつ
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齢に届かない後輩達をかき集めても防止できるとは思えないけれど。妨害なければ一日で十分だし。地球から人間がほとんど消えるから環境もマシになるよね」

 勝手に暴走して引くに引けなくなった黎斗はとうとう恐ろしい発言をしてしまう。正直、爆弾発言をカバーするために更に自爆している気がする。エルが呆れた視線を向けてくるのだが、どうしようもない。墓穴を掘りすぎたことに気づいたが、後の祭りである。

(頼む、ここで引いてくれ!!)

 ここで「そうですか、ではやってみてください」などと言われたら土下座することになる。すいません調子乗りました、と。各個撃破が出来るならまだしも七人の神殺しと一度に戦おうもんなら勝てるかどうかもわからない。スーリヤの権能を乱発してれば大丈夫だとは思うのだが、太陽に耐性のある神が居たり夜戦う可能性も有る。自分にとって最善の戦法で戦える保障は何処にも無い。逐一邪気を叩きつけていてはキリが無いしロンギヌスでぷすぷす刺すのも馬鹿馬鹿しい。そしてそれらを遥かに上回る最大の問題は大量殺人者になってしまうことである。地球の人口は六十億。人口密度を考えなければざっと半分の三十億は殺してしまうことになる。そんなのは真っ平ごめんだ。黎斗の背中を冷や汗が流れる。

「……かしこまりました。命に代えても、このことは私の心の内に秘めさせていただきます」

 勝った。黎斗は勝負に、勝利した。相手の顔を見るにちょっぴりの罪悪感。

「そう、ありがとう」

 立ち上がって小躍りしたいがそんな様子はおくびにも出さず、彼はアンドレアの方を見る。これ以上ボロを出す前にとんずらしよう。三十六計逃げるに如かず、だ。

「エル、行くよ。スサノオのトコ行って三人を拾わにゃならん」

「了解です、マスター」

 彼女の動きに合わせて紫の長髪がふわりとなびく。柑橘系の香りが漂い、鈴の音がちりん、と鳴った。

「とりあえずここに代金置いておくね。釣りは……あげる」

 これ一度でいいから言ってみたかったんだよねぇ、などと言いながら最古の神殺しは姿を消した。人の技量を凌駕した転移魔法によって。後に残ったのは、拳ほどの大きさの金塊。

「……これで払えと」

 自分のポケットマネーから出して、この金塊は換金しておこう。そう決めたアンドレアは財布から札束を出す。

 少女達に意識が戻るのは、この数分後の事になる。





「あー助かった。ホント、北半球潰さないで済んで良かった良かった」

「マスター、もうちょっと考えてから行動してください。下手したら大惨事だったんですよ。もっともマスターにそんな事出来る度胸があるとは思えませんけど。第一、何発スーリヤの権能を打ち込めば北半球全域焦土に出来ると思っているのですか?」

「…
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