第八十五話 瓶割り柴田その三
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は敵はわしの方でひきつける」
佐久間は柴田に応えて述べた。
「御主は安心して川を渡れ」
「そうしようぞ」
「それでじゃが」
佐久間と話してからだ。それからだ。
柴田は奥村に顔を向けてだ。こう尋ねたのだった。
「川の深さじゃが」
「はい、そのことですが」
「浅いのじゃな」
「おそらく普段はより深いのでしょうが」
だがそれでもだというのだ。
「今は。かなり浅くなっております」
「やはりこの暑さ故にか」
「それ以外にはないかと」
「そうじゃな。では尚更好都合じゃ」
川が浅い、そのことがだというのだ。
「楽に渡れるわ」
「では権六殿が騎馬隊を率いられ」
「行くぞ。御主が案内をせよ」
柴田がこう奥村に言う。しかしだ。佐久間は自分から柴田に対して言ってきた。見れば彼の今の顔は咎めるものだった。その顔での話だった。
「いや、助右衛門はこちらに残してもらうぞ」
「何故じゃ?」
「助右衛門が使えるからじゃ」
まさにだ。それは理由だというのだ。
「だからじゃ。よいな」
「何じゃ、助右衛門は守りに残せよというのですか」
「うむ。他の斥候を連れて行くがよい」
「仕方ないのう」
柴田は腕を組み口を尖らせたうえでこう佐久間に答えた。
「そちらにも人が必要じゃのう」
「又左と内蔵助と鎮吉のうちじゃ」
佐久間は柴田にさらに言う。
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