第八話 清洲攻めその九
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彼等は一気にだ。また銃を放った。
「撃て!」
「撃て!」
その鉄砲が再び火を噴くのだった。それでまた信友の軍の動きが止まった。
「何、またか!」
「また鉄砲を放ってきただと!?」
「速い!」
それで動きを止めてしまった。しかもだ。
今度は至近である。それだけに威力が凄かった。鉄砲を受けた足軽達は文字通り吹き飛ばされてしまった。そしてそれだけではなくだ。
「よし、次はだ!」
「はい!」
「あれですね」
「そうだ、突け!」
林の命令であった。今度は彼が指示を出したのだ。
するとだ。途方もなく青く長い槍が突き出されてだ。それで敵を突き刺した。
「くっ、今度は槍だと・・・・・・」
「何という長さだ」
「我等の槍より遥かに長い」
「これは近寄れんぞ」
彼等はそれで動きを止められてしまった。近寄ろうにもそのあまりにも長い槍に止められてしまう。どうにもならなかった。
それで攻めあぐねる。太膳もこれはどうしようもなかった。
「おのれ、再び鉄砲を放つだけではなくか」
「あの槍はです」
「途方もない長さです」
「ですから」
「そうだな、近寄ることができぬ」
太膳は忌々しげに足軽達に返した。
「これではな」
「弓も来ました」
「このままでは」
「くっ、こちらも鉄砲を出せ!」
太膳は忌々しげにこう命じた。
「そして弓もだ。急げ!」
「は、はい!」
「それでは!」
彼等は何とか反撃を仕掛けようとする。だがそこでだった。
彼等から見て左側にだ。法螺貝の声があがったのだ。
「何っ、まさか」
「また敵か!?」
「織田信長の軍か!」
「来たというのか!?」
驚いてみるとだった。その通りだった。
柴田は軍勢の先頭に立ってだ。こう命じるのであった。
「よいか、一気に突き崩す!」
「はい、そのうえで」
「敵を左に追いやるのですね」
これは信長の軍から見てである。
「それで勝てますね、この戦」
「間違いなく」
「そうだ。勝つぞ!」
柴田は槍を手に叫ぶ。
「この戦い、我等が貰った!」
「行くぞ、勝ちはわし等のものだ!」
「清洲はもらった!」
柴田が率いる軍勢は突き進みそうしてだ。慌てふためく信友の軍勢の側面を突き崩した。それで信友の軍は総崩れになってしまった。
「ここで側面から衝くか」
「そう来るというのか」
「これがうつけの戦だというのか!?」
信友の家臣達は総崩れになる己の軍勢を見て愕然となっていた、
「戦上手だというのか」
「あのおおうつけがか」
「ええい、怯むな!」
その中でだ。信友だけは諦めてはいなかった。
「まだ戦える。踏ん張るのだ!」
「で、ですが殿」
「兵達は最早」
「どうなっておるのだ」
「右に流れています」
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