第九十話 応えよ、オルファン
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り損に終わったってわけだ」
「ううん、そんなことはないよ」
ヒメはナンガに対してそう答えた。
「むっ、それは」
「ヒメさん、もしかして」
「うん、そのまさかだよ」
今度はケン太に返した。
「オルファンは約束してくれたよ。地球とそこに住む人達の想い出を大事にするって」
「ヒメさんもオルファンに会ったんだね」
「うん」
「あの時の感覚・・・・・・。やはり、あれはオルファンがもたらしたものだったのか」
凱にもそれがわかった。
「じゃあ、みんなも感じたんですね?」
「ええ」
命が頷く。
「あの瞬間、その場にいた全ての人間がオルファンと何らかの接触をしたらしいの」
「俺達もだ」
フォッカーが言った。
「あの時、確かに聞いた」
「静かな、優しい声でした」
「シーラ様も」
「私達だけではありません。本当に皆が」
「チーフやマイク達も聞いたそうだよ」
バーニィもそれは同じであった。
「皆、聞いたんです」
「私もです」
ロボットである美久も。心のある者は皆同じであるようだった。
「あの声は。私の中にも」
そしてレイにも聞かない者はいなかったのだ。
「ロボットの私でさえ不思議な刺激をメインコンピュータに感じましたが」
勿論OVAもである。
「ケン太君や護君、クマゾー君達は特にその印象が強烈だったみたいです」
「そうだったの」
「ニュータイプ同士の心の接触に近い感じだった」
アムロが述べた。
「あの感触と・・・・・・似ていた」
「そうですね」
カミーユがそれに頷く。
「俺も・・・・・・わかりました、それは」
「そして俺達もそれは同じだった」
「ショウ」
「善きオーラ力に似たものだった。いい光だった」
「俺も兄さんに似たものを感じた」
「タケル君も」
「あの時はじめて俺に語り掛けてくれた兄さんに。似ていたんだ」
「そうか・・・・・・」
ヒメはそれを聞いて皆同じだと思った。誰もがオルファンを感じていたのだ。
「だからといってオルファンの安全性が確認されたわけじゃない」
しかしラッセはここであえて楽観論を否定した。
「ああ、それに俺はゲイブリッジ司令のやり方を認める気はない」
勇も顔を引き締めさせた。
「もちろん、俺も同感だ。そのためにも人類が滅びない事を俺達の手で証明してやるさ」
凱の声に力が入った。
「そうね…。オルファンさんだって自分の殻から脱しようとしているもの」
ヒメは意を決した様に呟いた。
「人間だって頑張れるところを見せなくちゃね」
「そうだな」
勇もそれに頷く。
「皆、外を見て」
窓の方にいたカナンが一同に声をかける。
「オルファンが動き出すみたいよ」
「オルファンが・・・・・・大地を離れる」
皆それを見た。オルファンは今地上を離れ天高く飛んでいた
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