第八十九話 異邦人達の挽歌
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ビショットはそれを必死に否定しようとする。だが艦橋でも火の手が次々とあがっていた。
「沈む筈が・・・・・・・ヌオオオオオオッ!」
「リ、リムル!」
ルーザは最後の叫びをあげた。
「やはり御前は産むべきでは・・・・・・!」
それが最後の言葉であった。ルーザもまた炎に包まれた。ゲア=ガリングはその巨体を炎に包ませながらゆっくりと沈んでいく。そして空中で爆発して消えてしまった。
「終わりましたね」
「はい」
リムルはエレの言葉に頷いた。
「これで。お母様は」
「貴女は自身の手で全てを終えられました」
「私の手で」
「悪しきオーラ力を。払ったのです」
ここでエレはあえてこう言った。
「そして業を消し去られたのです」
リムルに母殺しの罪を感じさせない為の配慮であった。
「また。生まれ変わったら」
リムルはポツリと呟いた。
「その時こそ親子三人で」
それが彼女本来の願いであったのだ。果たせはしなかったが。だが何はともあれ彼女は己の決着を己自身でつけたのであった。
赤い三騎士もそれとほぼ同時に倒れていた。
「クッ、素早い!」
「まさか俺達が!」
「ビショット様、今そちらへ!」
キーンとガラリアの連携の前に敗れ去っていた。二人が背中合わせで放ったオーラキャノンの射撃によりトリプラーを破られたのだ。そして主君の後を追っていた。
「見事なものだな、キーン」
ガラリアは後ろにいる彼女に対して言った。
「まさか。上手くいくとは思わなかったぞ」
「仕掛けてくるのはわかっていましたから」
キーンはガラリアにそう返した。
「わかっていたら。対処は出来ます」
「そうか。どうやら御前も成長したようだな」
「えへへ」
「声もな。そのうち私より色気が出るかもな」
「まさか」
「まあそれも楽しみにしておこう」
「ビショットもショットも倒れたか」
「はい」
戦局はドレイクにも伝わっていた。
「あの二人が。まさかこうも簡単に」
「御二方の軍は既にほぼ消滅しております」
「うむ」
「ショット殿のおられた場所には黒騎士がおりますが」
「ショウ=ザマと交戦中だな」
「はい」
「そしてロンド=ベルはその軍の殆どをこちらに向けて来ようとしているのだな」
「グランガランが突撃して来ています」
「シーラ=ラパーナ、何処までも私の前に」
「如何為されますか?」
「構わぬ、ここで戦う」
それでもドレイクは退くことはなかった。それが出来ないことは彼自身が最もよくわかっていた。
「ここでな。よいな」
「はっ」
「アレンとフェイはどうしているか」
「交戦中です」
「そうか」
「他のオーラバトラー部隊も。その全てが」
「ここはウィル=ウィプスだけで凌がなければならぬか」
今目の前にグランガランが現れた。そしてもう
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