第八十九話 異邦人達の挽歌
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」
「まあそうね。実はあたしもウラキ中尉は気になるし」
「ほお」
「他の世界で。何かあったのかした」
「ペンタゴナがどっかでじゃねえのか?」
「具体的ね、また」
「そんな気がするだけだけどな」
「そうなの」
「まあ声の話は止めておこうぜ。タシロさんとあの長官だって声が似てるし」
「そうね」
「こら!早く出んか!」
そしてここでその長官の怒鳴り声が飛び込んで来た。
「ゲッ、噂をすれば」
「何とやらね」
「ガス少尉!いるならいるで返事をせよ!」
「了解。それで何の用件でしょうか」
「今太平洋は大変なことになっておる」
「この人が長官だってだけで充分だけれどね」
「だから聞こえるぞ」
「ドクーガがまた活動を開始したのだ」
「ドクーガが」
「左様、連中がオルファンに興味を示しているようなのだ」
「オルファンに」
「今オルファンはユーラシア大陸に上陸し、シベリア上空で留まっている」
「シベリアですか」
「そうだ。そしそこにドクーガが向かっている。それを迎え撃つのだ」
「わかりました。そして連邦軍は」
「今ガイゾックに戦力を集中させておる。奴等は奴等で奇怪な行動を取っているからな」
「具体的にどんなことですか?」
「相変わらず殲滅作戦をとっておる。しかしそれだけではない。何かをしておるのだ」
「その何かを御聞きしたいのですが」
「最近日本で突如として爆破テロが起こっている」
「らしいですね」
「それと関連があるやも知れぬのだ。今は調査中だ」
「それじゃあ太平洋軍は回せないのですね」
「そうだ。それでは宜しく頼むぞ」
言うだけ言ってモニターから姿を消した。後には苦い顔のギュネイとクェスだけが残った。
「何か好き勝手言ってくれるだけ言うな」
「けれど大変なことは本当みたいよ」
「ああわかってる、すぐに皆に報告だ」
「うん」
二人はすぐに仲間達に三輪の話を伝えた。彼等は勝利の喜びに浸る時間もなくすぐにシベリアに向かうことになった。
「やれやれってところだな」
キリーはゴラオンの中で自伝をキーボードで叩きながらぼやいていた。
「暫くドクーガの連中の話を聞かないと思っていたら」
「急に出て来たわね、また」
「何でもずっとミケーネやアフリカの連邦軍と戦っていたそうだけれどな」
「そうだったの」
レミーは真吾の言葉に顔を向けた。
「まあアフリカでもいつもの調子だったんだろうけど」
「あの三人はそうそう変わりはしないさ」
「あそこまで個性が強いとな。自伝を書かせると面白いものができそうだ」
「おいおい、商売仇かよ」
「確かキリーのホットドッグ屋の前がケルナグルール=フライドチキンだったな」
「ああ。あれであのおっさん商才あるんだ」
「何度聞いても意外ね」
「しかも奥さんまで美
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