第八十七話 アシカ作戦
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身だったんだよ」
「そうだったらしいな」
「それを思い出してな。何か感慨あるなってな」
「アイルランドか」
トッドも少し感慨に耽った。
「そういやアメリカもあそこからの移民が多かったな」
「御前は違うのか」
「俺もそうかもな」
彼はそれに応えて言った。
「ボストンは古い街だからな。アイルランド系は昔からいたし」
「そうか」
「スコットランド系かも知れんが。どっちにしろ俺にもアイリッシュの血はあるかもな」
「爺さんはもう死んじまったがな」
「相当な人だったらしいな」
「酒好きの女好きでな。困った人だったな」
「へえ」
「プレセアとは全然違ったタイプだったぜ。頼りにはなったが」
「今ここにいたら頼りになったってことか」
「多分な。まあ魔装機はねえがな」
「惜しい人をなくしたんだな」
「戦争だからな。仕方ねえが」
「どっちにしろまた戦争だしな」
「連中とも決着か」
「遂にな。ラ=ギアス、いや前の戦いからの腐れ縁も終わりさ」
「長い話だな。ったくよお」
「まあそう言うな。これも戦いだ」
「そう納得しとくか。それじゃあな」
マサキは立ち上がった。
「何処に行くんだ?」
「ちょっとな。外に出て来るぜ」
「やめとけ、道に迷うぞ」
「おい、御前までそんなこと言うのかよ」
「いつものことだろ。ここは大人しくしてろ」
「ちぇっ」
こうしてマサキは自室に閉じこもることになった。そして彼がこもっている間にロンド=ベルは補給を整えアイルランドに向かった。また戦乱が彼等を呼ぶのであった。
第八十七話完
2006・4・18
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