第八十六話 それぞれの思惑
[9/20]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
うだ」
べイトに言葉を返した。
「しかし口で言う程簡単じゃないぞ」
「わかってますって」
「ここは俺達の腕の見せ所だな」
「モンシア、当たるなよ」
「ヘッ、誰に向かって言ってやがる」
モンシアはベイトに軽口を叩いた。
「俺があんなののヘナチョコダマに当たるかってんだ」
「けれどティターンズのモビルスーツもいますよ」
ここでアデルが言った。
「彼等にも注意しないと」
「アデルの言う通りだな」
「少佐」
バニングは少佐に昇進していた。
「ここは慎重に行け。いいな」
「ちぇっ、面白くねえなあ」
それを聞いて勝平が口を尖らせた。
「戦争なんて一気に決めねえと何にもなりゃしないってのによ」
「こら勝平」
そんな彼を宇宙太が叱った。
「また御前はそうやって」
「そんなのだからいつもダメージを受けるんでしょ」
恵子も言う。
「いつもザンボットが一番ダメージを受けてるじゃない」
「傷は男の勲章なんだよ」
しかし勝平はいつもの調子である。
「傷の一つや二つで大袈裟過ぎるぜ」
「馬鹿っ、この前なんて死ぬところだっただろうが」
「戦艦に突っ込むなんて何考えてるのよ」
ギリシアで彼は単機スードリに突っ込んだのである。撃沈こそ出来たもののザンボットはその主砲の直撃を受け結構なダメージを受けていたのだ。
「虎穴に入らんば虎子を得ずだよ」
「珍しくちゃんと言えたな」
「京四郎さんに教えてもらったんだよ」
「とにかくな、無茶は止めろ」
「ティターンズの大部隊が目の前にいるのよ」
「仕方ねえなあ。今度は大人しくいくか」
「まあここはそうするべきだね」
一緒に小隊を組んでいる万丈が言った。
「敵の数も多いしね。多分援軍も来る」
「援軍も」
「そうさ。ウィーンは重要な街だ」
東欧における最大の都市の一つでもある。ここを失うことはティターンズにとって東欧を明け渡すことであり、防衛ラインもそれを防がん為であると読んでいるのだ。
「ここは簡単にはいかないよ」
「敵の司令官が馬鹿だったらいいんだけれどな」
「それでも戦いは激しくなるだろうね」
これが万丈の予想であった。
「とにかくここは気合を入れて慎重に行こう」
「あいよ」
「下手に前に出ないようにね。いいね」
「仕方ねえなあ。俺の好みじゃねえけれど」
「好みで戦争やるんじゃねえよ」
「そうよ、そんなことしてたら命が幾つあっても足りないわ」
「はいはい。ったく少しは忍さんや甲児さんみたいにドカーーーーーーンってやりたいよな」
「だからいつもやってるだろうが、それは」
「わかってるのかしら」
相変わらずの勝平に呆れる二人であった。何はともあれ戦いははじまっていた。
「仕掛けるぞ!」
コウのGP−03がメガビーム砲を構えた。
「これならっ!
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ