第八十五話 赤い髪の女
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。ジェリルの奴もティターンズの連中もおかしい」
見ればティターンズの者達はジェリルの言うがままであった。熱狂的に戦場に向かい、そして退くことはないようであった。
「このままだと俺達も巻き込まれちまうぞ」
「この戦い、離れて見た方がいいってのか?」
「俺はそう思う。今のジェリルはまずい」
「そうだな。こちらから積極的には仕掛けないようにするか」
「ああ」
こうして彼等はジェリルやティターンズから少し離れた。結果的にこの判断が彼等を救うこととなった。
「こそばゆいねえ」
ジェリルは自分の意のままに動くティターンズの軍勢を見て笑った。
「あたしがここまでなるなんてさ。生きてみるもんだよ」
「ジェリル様、どうされますか」
スードリに乗るティターンズの指揮官が尋ねてきた。
「このまま一気に突っ込みますか」
「そうさ」
ジェリルはそれに頷いた。
「そして真っ二つにしてやるんだよ、いいね」
「わかりました、それでは」
「全てはジェリル様の言われるままに」
彼等は完全にジャミトフのことは忘れていた。そしてロンド=ベルに向かう。ジェリル自身もオーラソードを抜きそのまま
突撃した。
「来たか」
エイブはそれを見て呟いた。
「砲撃用意」
すぐにゴラオンを攻撃態勢に入らせる。
「目標前方の敵部隊、照準合わせ」
「了解、照準合わせ」
その言葉が復唱される。そしてゴラオンは主砲を敵に向けた。
「姫様、主砲を発射します」
「わかりました、主砲の発射を許可します」
エレもそれに応える。
「各員衝撃に備えよ」
「撃て!」
攻撃が放たれた。それはまずスードリを直撃した。まずは指揮系統を破壊してきたのだ。
光がスードリを撃ち抜いた。忽ちのうちに炎に包まれる。だがそれでもそのスードリは前進を止めなかった。
「何だとっ!まだ動くというのか!」
エイブはそれを見て思わず絶句した。
「最早撃墜も時間の問題だというのに」
「あの艦に乗っている者達もまた邪なオーラに取り憑かれています」
「邪なオーラに」
「はい。今彼等は彼等の意思で動いているのではありません」
エレは言った。
「あの赤い髪の女によって。動かされているのです」
「あの女に」
エイブはそれを聞いて目を瞠った。その前にはジェリルのレプラカーンがいた。彼女はリョーコ達のエステバリスを相手に
その剣を振るっていた。
「チッ、何て素早さだ!」
リョーコがジェリルのオーラ斬りをかわしながら言った。
「チョコマカと!」
「リョーコさん、また来ますよ!」
「おわっ!」
ヒカルの言葉に咄嗟に後ろに下がる。今までいた場所が横薙ぎにされていた。
「もう少し遅かったら真っ二つだったな、おい」
「フン、運がいいねえ」
「生憎悪運は強いんだよ、この程度でやられてた
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