第八十五話 赤い髪の女
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ている」
「おい、マジかよ」
「ああ、だが」
「・・・・・・終わりが近いんだな」
「そうだ」
ショウは小さな声で言った。今レプラカーンは動きが止まり、その中のジェリルにも異変が起こっていた。
「あ、あたしが」
ジェリルはまだ狂気に満ちていた。そしてその中で呻いていた。
「あたしが・・・・・・負けるなんて」
レプラカーンの全身にヒビが入っていく。
「そんなこと・・・・・・有り得ないんだよ。このあたしが」
だがレプラカーンの崩壊は止まらなかった。そしてそれはジェリル自身にまで及んでいた。
「このあたしがーーーーーーーーーっ!」
それが最後の言葉であった。レプラカーンは爆発し、そしてジェリルもその中に消えた。ジェリル=クチビは今ここに死んだのであった。
「ジェリル・・・・・・」
「終わっちまったか」
アレンとフェイはそれを見届けたうえで呟いた。
「最後まで・・・・・・馬鹿な奴だったな」
「ああ」
そう言い残して二人は戦場を離脱した。ギリシアから撤退出来たのは彼等しかいなかった。ジェリルと共にロンド=ベルと
戦ったティターンズの部隊も壊滅しており戦場に残っていたのはロンド=ベルしかいなかった。
だが彼等は勝利者の顔をしてはいなかった。とりわけショウ達のそれは深刻なものであった。
「オーラに取り込まれた結果か、あれは」
「おそらくは」
シーラはショウにこう答えた。
「自らのオーラを抑えることが出来なくなっていたのでしょう、それで」
「怒りや憎しみに捉われて」
「全てはその結果です、そして彼女は」
「破滅したということか」
「そうです。そしてそれは」
「誰にでも起こり得る」
「戦いが続く限りは」
「それが人々のオーラを歪めてるっていうのか・・・・・・クッ」
「あれは今まで感じたことがない程だった」
ブリットが言った。
「あそこまで剥き出しの邪念は」
「オーラバトラーにはあんな性能が備わっていたのか」
「いや、それは俺も知らない」
ショウは亮のその言葉に応えた。
「ただ・・・・・・ジェリルは自分のオーラ力を制御出来なくなっていた」
「それでか」
「ああ。シーラ様の言葉によれば」
「じゃあ俺達もああなるって可能性があるんだな」
ニーがそれを聞いて言った。
「一歩間違えれば」
「身につまされるぜ」
トッドはとりわけ深刻な顔になっていた。
「俺も一時期ショウとは激しくやり合ってたしな」
「トッドは危なかったかもね」
マーベルはそれを聞いて頷いた。
「あのままドレイクやビショットのもとにいたらいずれは」
「縁起じゃねえな。けれどそうだな」
だがそれを聞いて納得できるものがあった。
「感情をコントロール出来なくなってな」
「それは俺もだ」
ショウも頷いた。
「俺も感情をコ
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