第八十四話 海峡の戦い
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「けれど今は」
「ヒューゴの方が心配なのよね」
「べ、別にそういうわけじゃないですけど」
どういうわけか顔を赤くさせていた。
「パートナーに何かあればフォローするのは当然ですし」
「それじゃここは撤収ね」
「はい」
アクアはエクセレンの言葉に頷くしかなかった。
「それじゃエクセレン隊撤収」
「何時からエクセレン隊になったんですか?」
「今さっきよ」
こうしてアクア達はアドラステアの前から撤収した。だがアドラステアへの攻撃は別の者が行った。
「今っ!」
ロザミアのゲーマルクが動いた。そして攻撃態勢を放つ。
「これでっ!」
巨大なファンネルを放った。そしてそこから無数の小型のファンネルが飛び出た。
その無数のファンネルが襲い掛かる。そしてそれでアドラステアを撃つ。戦艦は瞬く間に炎に包まれた。
「う、動けるのか!」
「エンジンはとりあえず!」
艦橋において狼狽するジャマイカンに部下達が報告した。
「ですがこれ以上の戦闘は!」
「クッ、止むを得ん!」
それを聞いて彼はすぐに決断を下した。
「総員撤退だ!ウィーンまで退くぞ!」
「ハッ!」
全軍慌しく撤退に入る。それはアレン達の耳にも入っていた。
「おい、俺達の負けらしいぞ」
「チッ、いいところだったってのによ」
それを聞いてフェイは舌打ちした。
「それじゃあ俺達も退くか」
「そうだな。・・・・・・いや待て」
「どうしたよ」
だがここでアレンが制止した。
「ジェリルの奴、何処へ行くつもりだ」
「何処へって・・・・・・あいつ」
それを聞いてフェイも気付いた。
「何考えてやがるんだ、あいつ」
見れば彼女は西へ向かっていた。そちらはギリシアである。
「ウィーンへ行くんじゃなかったのか」
「おいジェリル」
アレンが通信を入れる。
「俺達はウィーンへ向かう筈だ。何処へ行くつもりだ」
「あたしはあたしの行きたい所へ行くだけさ」
だがジェリルはそれに取り合おうとはしない。ただこう言うだけであった。
「そしてね、そこでまた戦うんだよ」
「馬鹿を言え」
「これはあっちからの命令だぞ」
「命令!?フン、そんなの糞喰らえだよ」
フェイの言葉にも従おうとはしない。
「あたしはあたしのやりたいようになるんだよ。黙っておいで」
「くっ」
「どうする、アレン」
フェイはアレンに問うた。
「このまま俺達だけでもウィーンに向かうか」
「待て、ギリシアにもティターンズの防衛部隊がいたな」
「ああ」
「連中にも撤退を知らせなければならん。ここは俺達もギリシアに向かうか」
「そうか。じゃあ行くか」
「ああ」
こうして彼等もギリシアに向かうことになった。だが彼等はここで信じられないものを見ることになるのであった。
「カミーユ、この勝負はお預け
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