第八十四話 海峡の戦い
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」
その黒いマシンはアドラステアからやって来た。そしてヒューゴ達の前に立ちはだかってきた。
「久し振りだな、ヒューゴ」
「その声は!?」
ヒューゴはその声を聞き顔を狼狽させた。
「まさか、貴方が」
「そうだ、俺だ」
モニターに濃い髭の男が現われた。
「隊長、どうしてティターンズに」
「訳あってな。今はここにいる」
彼は言った。
「隊長だと!?」
それを聞いたキョウスケが眉を動かした。
「誰だ、それは」
「若しかしてアルベロ=エスト大佐かしら」
エクセレンが言った。
「連邦軍特殊部隊クライ=ウルブズ隊の隊長だった筈よ」
「あの精鋭部隊のか」
「ええ。確か解散したって聞いてたけど。ヒューゴ君ってそこの出身だったのかしら」
「その通りだ」
ヒューゴは答えた。
「俺は以前そこにいた。そしてバルマーと戦って来たが」
「その後解散したのか」
「そうだ。そして隊長は行方知れずとなっていた。それがどうして」
「訳があってと言った筈だが」
アルベロはまた返して来た。
「今はこのメディウス=ロクスと共にティターンズにいる」
「そう、私と一緒にね」
「その声は、まさか」
今度はアクアが声をあげた。
「まさかまた」
それを聞いたエクセレンが呟く。
「久し振りね、アクア」
赤い髪を後ろで束ねた知的な美貌を持つ女も出て来た。
「先生、どうして」
「エルデ=ミッテか」
「あら、私のことを知っているのね」
エルデと呼ばれたこの女はヒューゴに顔を向けた。
「知らない筈がない。連邦軍において赤木博士と並ぶ天才科学者だったのだからな」
「そうだったの、リツコ」
「ええ、そうよ」
リツコはミサトの問いに応えた。
「話は聞いていたわ。ロボット工学の権威の一人だって」
「そうだったの」
「けれど行方を絶って暫くしていたんだけれど。まさかティターンズにいたなんて」
「こちらもね、訳ありなのよ」
彼女は落ち着いた声で述べた。
「ティターンズにいるのは」
「まさか、先生が連邦軍からティターンズに」
「彼等の主義主張は関係ないわ」
エルデはまた言った。
「私にとっては」
「そんな・・・・・・!」
「そして貴女と戦うこともね」
それもまたエルデにとっては何でもないことのようであった。実に素っ気無い言葉であった。
「覚悟はいいかしら」
「待って、私は先生とは」
「アクア、今はそれを言っても無駄だ」
だがそんな彼女にキョウスケが言った。
「今は戦争をやってるんだ、これでわかるな」
「けど・・・・・・」
「躊躇っていて死ぬのは貴女よ」
エクセレンの言葉も顔も何時になく真剣なものであった。
「いいわね、それは」
「うう・・・・・・」
「そういうこと。それでは行くわよ」
黒いマシン、メディウ
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