第八十三話 最悪の鎧武者
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第八十三話 最悪の鎧武者
「バーチャロイドか」
マクロスのモニターで現われたミスマルはそれを聞いて顔を顰めさせた。その厳しい顔が更に厳しくなったように見えた。
「御存知ですか」
「いや、悪いか」
彼は厳しい顔のままそれに答えた。
「知らない。援軍は送るには送ったが」
「左様ですか」
「だが彼等は君達に協力を申し出ているのだな」
「はい」
「そしてどの敵とも関わりがないというのか」
「調べたところバルマーやボアザンのことも知りませんでした。嘘発見器にもかけ、調べましたが」
「全く何もなかったというわけだな」
「はい。それどころか彼等は全く違う世界から来たと言っております」
「ふむ」
「如何すべきでしょうか」
「君達に対して敵意はないのだな」
「それもはっきりとしております」
グローバルは答えた。
「そして。ギガノス軍と戦闘を交えましたし」
「とりあえずは味方ということか」
ミスマル司令はそれを聞いてとりあえずは納得した顔になった。
「ではいい。彼等の参加を歓迎しよう」
「はい」
「それでとりあえずはいい。戦力の上昇になったのはよしとしよう」
「わかりました。それでは」
「そしてそこに展開しているギガノスのことだが」
話はギガノスに関してのものに移ってきた。
「今彼等は月において勢力回復に務めている」
「新たな指導者となったドルチェノフ元帥の下でですな」
「反対派の若手将校達の粛清に成功した彼はそのままギガノスの全権を握ることに成功した」
ミスマルは言葉を続けた。
「そしてギルトール元帥以上の独裁者となり今やギガノスを意のままにしている」
「そしてギガノス軍を復興させているのですな」
「とりあえずはそれは成功している」
彼はグローバルに答えた。
「月に移動要塞を築いている。そして地上にも物資を送り込んでいる」
「物資を」
「今君達と対峙しているグン=ジェム隊に向けてな。特に新型メタルアーマーを重点的に送り込んでいるそうだ」
「新型メタルアーマーを」
「情報によるとかなりの重装備のマシンらしい」
「我々のデストロイド=モンスターの様なものでしょうか」
「いや、かなり違う。そのうえパイロットの思考を機体にそのまま送り込めるらしい。それにより驚異的な俊敏さを発揮するという」
「そうなのですか」
「以前から開発が進められていたがギルトール元帥の命令で中断されていたらしい」
「ギルトール元帥が」
グローバルはそこに反応した。
「あの方が反対していたとなると・・・・・・いや失敬」
あの方、と言ったことへの言葉であった。かっては上司であっても敵味方に別れていたのだから。
「いや、いい」
だがミスマルはそれを咎めようとはしなかった。
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