第八十三話 最悪の鎧武者
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のか?」
「隠居か。悪くはないな」
意外にもそれには乗り気であるようだった。
「未来を見て来た時は色々と考えもしたが」
「それも変わったか」
「そうだ。どうやら人類は私が考えていた以上に賢い。そして努力している」
「若い者達がか」
「そうだな。私は何かをするにはもう歳をとりすぎているかも知れない」
「歳をか」
「特にな。竜崎一矢を見ていると思うことがある」
「何をだ?」
「人間は。一途になれればどんなことでも達成出来るのではないかとな。若しかしたら地球の重力などというちっぽけなものを遥かに越えたさらに大きなものを掴めるかも知れない」
「地球の重力もか」
「若しかしたらだ。彼はそんなものを遥かに越えたものを目指している。それに比べたら私が今まで考えてきたことは実にちっぽけなものに過ぎない」
「だがそのちっぽけなものの為に今でも戦いが起こっている」
「それも。乗り越えられるだろう」
「人類はか」
「そう思えてきた。もう私は只の兵士でいてもいいだろうな」
「いや、それはどうかな」
「まさか私はまだ表舞台に立たなければならないとでも言うのかね?」
「御前の力がよい方向に必要とされるんならな」
アムロは言った。
「また必要とされるだろう」
「ではその時が来ないことを祈ろう」
クワトロは笑いながら言った。
「このまま隠居していたいからな」
「随分と怠け者になったな」
「もうキャスバル=ズム=ダイクンである必要もシャア=アズナブルである必要もないのならそれを怠け者と呼ばれても構うことはないさ」
「そうか」
二人の会話はここで終わった。またしても新たな仲間を手に入れたロンド=ベルはタシケントからトルコ、そしてバルカン
半島に向かっていた。そこから遂にティターンズとの戦いを行うつもりであった。
第八十三話完
2006・3・29
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