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木の葉芽吹きて大樹為す
若葉時代・慰霊祭編<前編>
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「頭領!」
「頭領!!」

 騒いでいるうちはの子供達に、マダラが声をかける。
 振り向いた先に立っていた頭領の姿にうちはの子供達が驚いた声を上げて、慌てて瞳を元の色に戻した。

 屋台のおじさんがマダラを見て、顔色を変える。
 そりゃそうだろう。さっきの一言を耳にしたらマダラが何をするのかなんて簡単に想像がつくものね。

 ……そうだ、いい事思いついた。

「なあ、マダラ。折角の機会だからお前がやってあげたらどうだ?」
「何の話だ?」
「ん? これこれ」

 屋台の台に載せられた玩具のクナイを取って、軽く放る。
 危なげなく受け取ったマダラが、手の中の玩具を不快そうに睨む。

「この子があの兎が欲しいんだって。んで、その一本がラストチャンス」
「言いたい事は分かった。しかし、何故オレがそのような事を……」

 一族最強の頭領にそんな事を頼むなんて……! とヒカクさんが戦いている一方で、うちはの女の子は兎のぬいぐるみが手に入るかもしれないと期待した目をしている。

「ほらほら。子供の他愛無い要望に応えるのも大人の役目だろ? なに、そんなに難しい事じゃない。この玩具をあの兎に当てて、下に落とせばいいんだから」
「其処まで言うなら貴様がすればいいだろうが」
「うーん。でも単純な腕力で言えばお前の方がオレよりも上なんだよ。だから、お前の方が向いてる」

 玩具のクナイを掌中で弄びながら感覚を確かめているマダラにそう告げると、信じられない物を見た目で見られた。
 可笑しいな、そんな目で見られる様な真似をした覚えは無いんだけど。

「――腕力が無い? 前に人の肋骨を遠慮なく折ってくれた貴様が……?」
「違う! あれは純粋な力技じゃないの! チャクラコントロールの応用! オレ、そんな怪力じゃないから!!」

 これ重要!
 肉体的には女性な私がマダラの様なバリバリの戦闘系と殴り合ったり出来るのは、医療忍術を応用したチャクラコントロールのお蔭なだけ! 生まれつきな怪力とか馬鹿力とかじゃないから!

 うちはの子供達に危険物を見つめる目で凝視されて、落ち込みたくなる。
 私としては医療忍術応用の怪力と互角で渡り合えるマダラの方が危険だと思います。

「と、とにかく! やってあげなよ」
「……よかろう。あの兎で間違いないな?」
「は、はい!」

 これ以上問答を行う気が失せたのか、渋々と、本当に渋々とマダラがクナイを軽く構える。
 どうやらやってくれるらしいと理解したうちはの女の子が、瞳を輝かせる。
 良かったね、本当に。

 ゆっくりとマダラがクナイを構えて、リラックスした仕草で軽く腕を振る。
 玩具に似合わない鋭い風切り音が響いて、兎のぬいぐるみへとクナイが吸い込まれてい
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