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木の葉芽吹きて大樹為す
若葉時代・慰霊祭編<前編>
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柱間殿に振り回された事か……!」
「僕は面白かったけどねぇ」
「諦めろ、山中の。あいつはああ言う奴だろうが」

 聞こえて来た怨念めいた声に、全員で振り返る。
 その先に並んでいたのは猪鹿蝶トリオこと、山中・秋道・奈良の御三家の頭領達。
 やけに疲れた顔の山中殿と幸せそうな秋道殿、それから諦め切った表情の奈良殿とえらく対照的である。
 
「酷いですよ、ご老体。柱間殿の相手をオレ達に押し付けるだなんて……!」
「仕方なかろう。あやつの勢いは老骨には堪える。まだ若さもチャクラも有り余っとるお主らに任せるのが一番じゃ」

 志村の旦那の言ってる事が何気に酷いと感じるのは私だけだろうか?
 頭領集と別れて、祭りの活気を居心地良く感じながら会場内を好き勝手に回る。
 どこの子供達も楽しそうで、その様を眺めているだけで思わず顔が綻んだ。

 通りの右側に設けられた飴細工を扱った露店前には秋道の子供達が物欲しそうな視線を寄越し、隣の果物の糖蜜漬けのお店では、奈良家の子供達が買うか買わないかを相談している。
 氷を削ってシロップをかけた氷菓子の屋台では山中の子供達が早速購入して、珍しい菓子に舌鼓を打っていた。

「ほら。これでも飲んで口直しなさいよ」
「す、すまない。ビワコ……」
「残念だったな、ヒルゼン」
「酷いぞ、ダンゾウ!」

 外れ有りの蒸かし饅頭に食いついて、早速外れに当たったヒルゼン君。
 彼が饅頭に食いつくまで見守っていた皆が笑って、外れを引き当てたヒルゼン君へと同情の言葉を贈る。
 その隣で素知らぬ顔で安全な饅頭に口を付けたダンゾウ君だって、なんだかんだ言いつつも口元が笑んでいる。

 そして、菓子が陳列された露店の反対側。
 左方へと配置された店では、主に玩具や子供向けの忍術書を取り扱ったお店が建ち並ぶ。
 くじ引き屋では、日向一族の子供達が幼いながらも白眼を発揮して、店主に悲鳴を上げられ、華やかな細工物を取り扱ったお店では、各一族の女の子達が並んでは黄色い声を上げる。
 水風船の屋台では、真剣な顔の油女の子が犬塚の子の茶々を受け、折角取った水風船を取り落とした。

「??あれ? あそこにいるのって」

 射的屋、と看板がかけられた店がやけに賑わっているのに気付く。
 騒ぎに引き付けられる様にして足を進めると、見知った顔に出くわした。

「これは、柱間様……!」
「こんばんは、ヒカクさん。楽しんでいただけていますか?」
「はい。うちはの子供達も、大はしゃぎで……。彼らの子供らしい所を久方ぶりに見た気がします」

 なら、良かった。祭りを開いた甲斐があった物だ。
 ――ところで何を騒いでいるのだろう?

「あーん。また失敗した!」
「へったくそだな、おまえ。それでもうち
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