番外編 蜂蜜を愛するお嬢様と黄巾の乱
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書いた方がいいと思うがの。妾はお前が死のうが一行に構わぬ」
妾は気にも止めずに玉座に座ると、袁江は慌てて竹巻に汚職者の名前を書き始めたのじゃ。
袁江が書き上げた汚職者の数はざっと200名にも上ったのじゃ。
こんなにも南陽にはゴミが巣食っておったとは、道理で風通しが悪いはずじゃな。
「あの・・・・・・、袁公路様、お約束通り見逃しください」
袁江は最初とは違って卑屈な態度で話かけてきたのじゃ。
「助命を考えてやる話じゃったな」
「はい!」
袁江は期待に膨らませた表情で妾の顔を見ていたのじゃ。
「そちには褒美に死をくれてやるのじゃ。汚職をせし袁家の者を家族皆殺しにすれば、良い見せしめとなるはずじゃ。貴様を処刑した後、お前が密告した汚職官吏に不正に貯めた財を吐き出せば、死罪を免じてやると伝えるつもりじゃ。無論、逆らう者もおろうが、その者達は皆殺しにして、全ての財を没収するのじゃ。豪族とはいえ、大守に弓引くは朝廷に歯向かうことと同義じゃ。当然、その者達は逆賊、生かしてはおけぬ。生きて不正な財を差し出すか、死んで全てを失うか。賢いものなら、どちらを選ぶべきかわかるであろう」
妾は袁江を侮蔑に満ちた表情で睨んだのじゃ。
「わ、儂を騙したのか――――――!」
袁江は怒りの形相で妾を睨んだのじゃ。
「騙してなどおらぬ。妾は助命を考えてやるといっただけじゃ。熟考して、お主を生かしてはおけぬと結論が出たのじゃ。それに、お主は袁家の名を汚した愚か者じゃ。死してご先祖様に詫びるがよい。涼、この者を連れて行くのじゃ!」
「はっ! 畏まりました。この者を牢屋に入れておけ」
翌日、袁江とその家族を城の前で斬首に処したのじゃ。
これに豪族達の一部が反発したが、榮奈と渚が大守配下の軍3000を率いて、逆賊として皆殺しにしたのじゃ。
妾の容赦ない行動に対し、豪族は表向き反抗を止め汚職で貯めた財貨を差し出したのじゃ。
汚職を働いた官吏や豪族から取り上げた財貨は一度国庫に入れ、後ほど飢えに苦しむ民の食料を買うために使用したのじゃ。
これで民の飢えを当面は救うことができると思うのじゃ。
政とはほんに大変なのじゃ。
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