第三話『星の少女と天災』
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「此処は……」
スウェンがリズに連れて来られたのは、少し広めの書庫だ。動物の本や植物の本、様々な種類の本が置いてある。
「ここ……一番落ち着く」
そう言いリズは近くにあった椅子に座り、机に上がっている本を手にする。
「私、身体弱い……から、お外に出られないの。だから……何時も本読んでるの」
「そうなのか」
スウェンはおもむろに近くにあった本を取る。その本は星座について書かれていた。
「星が好きなのか?」
「うん……たくさんあるキレイなお星様が、線で結ぶと……一つの形になるのが……面白くて」
「……俺も子供の頃、よく星を見ていた」
「スウェンも……お星様好き……なの?」
「ああ」
扉に背を預け、腕を組み
「よく外に出ては、夜遅くまで星を眺めていた。帰ったら両親に何時も心配されて怒られてたがな」
「……羨ましい……な。私、お家の窓からしか……お星様見たときがない……から」
するとスウェンはリズに近づき、頭を撫でる。
「リズ、もしお前の身体が良くなったら、一緒に星を見に行こう。空一面が星で覆い尽くされている場所へ」
「本当……に?」
スウェンは頷く。リズは椅子から降り、スウェンに抱きつく。
「約束……だよ? お兄ちゃん」
「ああ……?」
一瞬気になる単語が出てきたため、スウェンはリズの方を向き
「今、俺の事を兄と……」
「うん……♪ スウェン、今日からリズのお兄……ちゃん。ダメ?」
「……いや。それで構わない」
「……♪」
リズは満面の笑みになり、スウェンの手を掴み横に立つ。
「お腹すいた……から、ごはんに……しよう?」
「その案には賛成だ。行くとしよう」
食卓へとやって来たスウェンとリズ。そこにはスウェンの顔を引きつらせるほどの珍妙なものが居た。
「何だ……これは?」
スウェンの視線の先にあるのは、もぞもぞと動く人の大きさほどのウサギ?のなにか。それがスウェンに気づくとぴょんと飛び上がり、口が大きく開かれ、中から頭にウサギの耳が装着されたカチューシャをつけている女性が出てきた。
「はぁ〜い♪ こんにちは〜そして初めまして〜! 天才ぷりてぃ篠ノ之 束さんだよ!!」
「……」
「……」
静まりかえる空間。リズは隠れるようにスウェンの後ろに行き、スウェンは表情を強張らせ束と名乗る女性を見ていた。
「リズ、この女性は……」
「えっと……この……人は、ISを作った……」
「そうそう! この世界のどんなものより、すんごく強いパワード・スーツ、インフ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ