第七話 お泊り会その六
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「シュークリームにね。サンドイッチにスコーンも」
「多いな、何か」
「フルーツは買ったし」
「スコーン以外は甘いもの以外で固めてないか?」
「そうよ。そうしてるのよ」
まさにその通りだと答えて料理の下準備をしていく琴乃だった。動きは慌しいが中々的を得た動きをしている。
「今日皆が来るから」
「今から作ってるんだな」
「そういうこと。それでね」
「それでって?」
「お酒も買ってるから」
それはもうだというのだ。
「ワインね。勝ったから」
「ワインって柄かよ」
「柄でお酒を飲むんじゃないから」
だからいいというのだ。
「別にいいのよ。とにかくね」
「今からお菓子作るんだな」
「そうしてるから。何ならあんたの分も作るけれど」
「いらないよ、そんなの」
弟はゲームを死ながら姉に素っ気無く返す。姉のその顔を見ないまま。
「特にな」
「何よ、折角好意で言ってるのに」
「立ってよ。姉ちゃんの料理だよな」
「その通りよ」
「じゃあいいよ」
琴乃が作ったならと。弟はまた素っ気無く言う。
「別にさ」
「何でよ、それって」
「だってよ。姉ちゃんの料理ってさ」
「味は知ってるでしょ」
「味はね。けれどさ」
「外見がっていうのね」
「そうだよ。外見滅茶苦茶だろ」
弟もよく知っていた。琴乃のその料理の特徴を。
「この前プリン作って何になったんだよ」
「味はプリンだったじゃない」
「味はな。けれど外見クラゲだったじゃないか」
海にいるあのゆらゆらと漂う生き物だ。刺されると痛い。
「何でプリンに触手があるんだよ」
「たまたまよ」
「たまたjまでプリンに触手が生えるかよ。何だったんだよあれ」
「プリンが出て来てできたのよ」
それで触手の様に見えたというのだ。
「それだけよ」
「普通ならないだろ、そんなの」
「けれど味はよかったでしょ」
「まあ味はな」
それはよかったというのだ。弟もまた。
だがそれでもだとだ。彼は言うのだ。
「外見は化け物だったじゃないか」
「本当に外見のこと言うわね」
「料理は見栄えも大事なんだよ」
よく言われていることを弟も言う。
「それでよ。ったく何で姉ちゃんの料理って外見悪いんだよ」
「それをこれから何とかしていくつもりよ」
「無理だと思うけれどな」
弟はもう諦めていた。姉の料理の外見については。
「絶対にな」
「何でも絶対ってことはないわよ」
琴乃は卵を割っていく。しかしその割り方はどうにもぎこちない。速さはいいがそれでも動き自体がそうなのだ。
そうしt卵を割りながらだ。琴乃はこう言ったのだ。
「努力すればね」
「なおっていくっていうんだよな」
「ほら、誰だって最初は駄目っていうじゃない」
「それはそうだ
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