第三話 時期はずれの転校生
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ぁ、問題なく居たな。
前世の記憶を頼りにそんな事を考えていると全く同じ状況で、興味無さそうにしていた自分が映る。
自分で言うのもなんだが可愛くないガキだったな……。そんな事をしみじみと思い出す俺。何か話がずれているのは気のせいだと思いたい。
『……はい。おそらく原作は始まっています。そしてマスターの言うとおり彼も転生者でしょう』
二人から相当な魔力が感じられます、とセレネは付け加えながら俺に説明する。
なんだろう、とりあえず今から原作介入しても何か邪魔にしかならないような気がしてきたな……。
そんなん事を思いながら席につくと同時にそこに突っ伏す俺。
「え〜っと、転校生さんだよね? 私は高町なのはっていうの。名前は……大地くんだね! これからよろしく」
そう言って笑みを浮かべて俺に話しかける高町。先ほどまではぼーっとしていたが俺に気付いたらしい。
「ん、よろしく。」
一応顔を上げて高町に対して返事を返す。女子どころか男子にすら殆ど関わりの無かった俺にはどう返事していいのか解らなかったが、多分間違ってないはず……。
横の転生者に睨まれた気がするが気のせいだろう。
転校生ということもありクラスメイトが休み時間の間に話しかけてくれたおかげでなんとか眠らずに数時間。
やっと待ちに待った弁当の時間になる。しかし……、
「しまった……」
唯一の楽しみであるはずの弁当だが、完全に家に置いてきてしまったのだ。
くっ、飯がないなんて……。今日はこれだけを楽しみにしていたというのに……。
「……これをやろうか?」
そう言ってパンを差し出してくる転生者。
「名前は何だっけ?」
「……あぁ、俺の名前は佐倉桐仁っていうんだ。よろしく」
「パンもらってもいいのか?」
ほぼ無言で頷く佐倉。クラスメイトとは言え殆ど知らない人間にあげてもいいのだろうか?
俺としてはものすごいありがたいが。
「大地くん、桐仁くん。一緒にご飯食べよ」
そう言って俺たちを誘ってくる高町。他の二人にはちゃんと俺のことは了承済みなのだろうか?
「あなた転校生よね? 名前は確か、青崎大地……よね?」
「あぁ、合ってるよ」
そう言ってくるのは金髪少女のアリサ・バニングス。隣にはもちろん月村もいる。
後から佐倉に聞いた所によると、何時もはあの三人と佐倉だけで食べているらしい。
何か気まずくなったりしないのだろうか? 慣れているならそんな事もないのだろうが……。
その後は、バニングスや月村からの質問に答えながら結構楽しい食事の時間は終わっていってしまった。
楽しい時間はすぐ終わってしまう、とはよく言ったものだ。そう思えるほど、先ほどま
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