若葉時代・同盟編<前編>
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ば言っていなかった様な気がするな、しないような。やっぱ、言ってないんだろうなぁ、この分じゃ。
「前々から火の国の大名が話をしたいと言ってたの覚えてるか? そのくせいつまで経っても日時を決めてくれないなと思ってたら、ついさっき鷹便が届いて」
「……で、まさかこれから向かうんですか?」
「うん! 折角だからマダラも一緒に行ってくれたら嬉しいなと思って」
あれれ? なんでかうちは一族の人達が写輪眼を全開にして、私の事凝視している。なんでかね?
「お、おい。千手の……。あれは本当に千手柱間様なのか……?」
「ああ……。そういえば、お前達は素のあの人を見た事が無かったよな」
おいこら、そこの千手。お前の声バッチリ聞こえてるからな。
あと、その疲れた顔はなんだ。見えてるぞ、こっからでも。
「――と言う訳で一緒に行こうぜ! 扉間、桃華、後よろしく!」
「待て、柱間! オレはまだ行くと言った訳では……!」
マダラの手首を掴んで弟の扉間と側近の桃華に手を振れば、マダラが異議を申し立てて来る。
まあ、マダラの言う事も尤だけども。
「突然で悪いとは思うけど、特に大事な用がないなら一緒に来た方がいいと思うよ。なんたって大名とコネクションを作れる貴重な機会だし」
「だが……!」
「うちはの今後にも役に立つって。これ以上の反論は認めません――どうする、行く? 行かない?」
時間ももう差し迫っているからね。
手首を掴んだまま、マダラの目を見つめれば、微かな逡巡の色が浮かぶ。
ややあって、微かに溜め息を吐いてマダラが肩を落とした。
「わかった。オレも行く……うちはを任せたぞ」
「――はっ!」
頭の上で髷を結った、うちはの忍びの一人が深々とマダラに向かって頭を下げる。
ええっと、あの人は確かうちはの忍びで、確か……うちはヒカクさん。
うちはヒカクと言えば、マダラ兄弟に次いでのうちはの実力者だ。実直な性格の持ち主で、堅実な戦い方をする事で知られている。
――成る程、自分の留守を任せるにはうってつけの人物だろう。
「夕方には戻る様にします。取り敢えずあなた方の頭領をお借りしますね、ヒカクさん」
「自分の名前を……!?」
ヒカクさんの名前を呼べば、非常に驚いた顔をされた。そんなに驚く様な事かね。
「うん、知ってる。――そうそう、初っ端から飛ばす事になるけど構わないよね?」
「――……ああ」
マダラの手を引っ張りながら、壇上から下りて一直線に出口へと向かう。
そのまま空いた手で扉を押して、建物の外に出る。今回の会場を囲む森を抜ければ、その先には火の国だ。
さあて、飛ばしますか。
「じゃあ、行こうか。逸れたりするなよ?」
「……誰に物を言
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