第二話 はじめての演奏その六
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「それもあると思うけれど」
「コーラスも入れたら。そうね」
どうかとだ。彩夏が考える顔で述べてきた。
「音楽に厚みができそうね」
「そうでしょ?だからね」
「それもいいかもね」
「実はお母さん昔のバンドでね」
里香はこのバンドのことを言ったここで。
「チェッカーズ好きだったの」
「あの七人組のバンドよね」
彩夏もこのバンドのことは知っていた。もう二十年は前のバンドであり彼女達が生まれる前に解散したグループであるが。
「そうしたやり方もあると思うけれど」
「言われてみればそうだよな」
美優も気付いたのだった。ここで。
「厚みがあるとな」
「それだけいい音楽になるから」
「やるからにはいいグループにしたいしな」
切実な顔になってだ。美優は言った。
「じゃあ是非共な」
「それでいいわよね」
「ああ、あたしはいいと思うよ」
リーダーの美優は笑顔で里香の言葉に頷いた。
「それでな。景子ちゃんと彩夏ちゃんはどう思う?」
「ええ、私もいいと思うわ」
「賛成よ」
二人は笑顔で答えた。
「いいじゃない、それで」
「面白くない?」
これが二人の返答だった。
「じゃあ。琴乃ちゃんがメインで」
「私達もそれぞれ時々歌って」
「それでコーラスも入れて」
「それでやっていきましょう」
二人も笑顔で賛成してだ。これで決まった。
それからだ。また美優が言った。
「じゃあ今からな」
「演奏ね」
「ああ、やろうな」
こう琴乃にも言う。
「今からな」
「じゃあ私がヴォーカルで」
「あたしがドラムでな」
メインヴォーカルとリーダーが笑顔で話す。
「それでギターも鳴らして」
「そうしようか」
「ギターはもう一人いるわよ」
微笑んでだ。景子も入ってきた。
「ギター二人っていうのも贅沢よね」
「そうよね。それもね」
「それでね」
それに加えてだった。彩夏も言ってきた。
「ベースもあるから」
「キーボードもあるわよ」
最後に里香、サブリーダーの彼女だった。
「じゃあ五人で一緒に」
「とりあえずやってみるか。曲はどうする?」
「ううんと。そうね」
琴乃がここで言う曲はこれだった。
「あのアイドルグループ。秋葉のね」
「ああ、あそこか」
「あのグループにしない?」
琴乃はこうした曲を提案するのだった。
「明るい曲が多いから」
「楽譜あるのかよ。あのバンドの曲」
「あっ、実は私あのグループのファンで」
また景子が出て来た。
「楽譜持ってるわよ」
「おい、用意がいいな」
「まあ。偶然だけれど」
それでもあるとだ。笑顔で話す恵子だった。
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