第百三十五話 イゼルローン要塞、異常なし
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った。
フリードリヒ4世にしてみれば、男児で有ればルードビィヒによって抹殺されていたであろう、女児で良かったのかも知れないと言うこととを。
グリンメルスハウゼンにしてみれば、男児で有れば次期皇帝陛下として申し分がないものをという事を。
ケーフェンヒラーにしてみれば、流石殿下、益々お仕えする事が楽しみだと言う事が。
ケスラーにしてみれば、僅かの情報から此ほどの事を推測し指示をする姿に安心感を持ち、陛下とグリンメルスハウゼン閣下が、ラインハルト・フォン・シェーンヴァルトにさせる予定であった帝国の再生をテレーゼ殿下に託そうとしていることを。
四者四葉の考えではあったが、根本的にはテレーゼの次期皇帝への道を切り開いてやりたいという事では一致していた。
そんな事は露知らず、テレーゼ自身は、何れ来る門閥貴族との皇位継承争いやラインハルトによる、帝位簒奪に頭を回しながら日々過ごしていくことになる。
暫くするとフリードリヒ4世がテレーゼにににこやかに話しかけた。
「そうじゃ、テレーゼが作る帝国歌劇団じゃがどの様な題目をするのじゃな?」
いきなりの話題の変更にテレーゼも困ったような顔をするが、それでも幾つかの題目を教えた。
「えーと、まだ団員も決まってないから、概略ですけど。歌と踊りをモチーフにした斬新な劇にする予定ですけど、問題はケスラーの頼んでいるように、恐らくだけど門閥貴族やフェザーンなんかのスパイが紛れ込む可能性が多いので、私が出るわけには行かないのですよね」
「殿下、無論ですぞ。劇に出るなど危険すぎます」
「ケスラー判っていますよ、以前ならまだしも、今の状態で我が儘言えませんよ」
「そう仰って頂けて恐悦至極に存じます」
「テレーゼ主演の劇も見てみたかった気がするがの」
「陛下」
「冗談じゃ冗談じゃ」
ひとしきり笑いが起こりながら、会議は続いて行った。
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