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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第十八話 隣りにいる人   ★
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side なのは

 今、私の机の上には傷ついたレイジングハートがいる。
 ユーノ君の話だと明日には元に戻るらしいけど、それでも傷つけたのは変わらない。
 それに気になるのがもう一つ

「士郎君、大丈夫かな」

 ベットの横にたてかけている槍を眺め、そう呟いていた。

 士郎君はあの時いきなり膝をついて、苦しそうにしていて、咄嗟に駆けよろうとしたけど

「だまれっ!!!!」

 初めてみた士郎君の顔。

 とても怖い顔。
 虚空を睨むその表情と声に固まってしまった。
 そして、私達に向けられる何かに怯えたような瞳。
 いつもの落ち着いた感じじゃない。
 不安定で何かの拍子に崩れてしまいそうで、傍にいたくて足が自然と前に出た。
 だけど

「来るな!」

 士郎君の明確な拒絶な言葉。
 その言葉に足を止めてしまっていた。

「なのは?」
「え? なに、ユーノ君」

 ユーノ君の言葉に現実に戻ってくる。

「士郎のこと考えてたの?」

 ユーノ君の言葉に静かに頷く。

「うん。士郎君あんな怪我をしてたし、士郎君の事全然私知らないんだよね」
「……なのは」
「もっと知りたいな。士郎君の事」

 私達に向けられた士郎君の怯えたような眼が頭から離れない。
 なんであんな眼をしていたのか
 それがとても気になった。




side フェイト

「士郎、大丈夫かな」
「そうだね」

 なんだかんだでもアルフも士郎の事が心配なんだね。
 助けてもらったお礼も言えてない。
 怪我も気になるし。

 でも一番気になるのは立ち去る時の士郎の眼。
 何かに怯えているような、恐れているような眼。
 視線は私やなのはを向いていたけど、私達に対するモノじゃない。
 なら何に対してのモノなのだろう。

「士郎が心配かい?」
「うん」

 アルフの言葉にうなずく。
 大切な人だもの心配しないわけない。

「バルディッシュのリカバリーが終わったら、行ってみたらどうだい?」
「だ、だけど」
「迷っててもどうにもなんないよ」

 そうだよね。
 うん。
 アルフの言うとおり迷っててもはじまらないよね。
 バルディッシュの修復は一日あればなんとかできるし、行ってみよう。




side なのは

 次の日、学校に行って一番最初にアリサちゃんとすずかちゃんに謝った。
 心配掛けたこと、迷っていたこと。
 そして、ちゃんと覚悟が出来たこと。
 魔法の事は話せないけど話せる事は全部話した。
 でもその中に大切な人が足りない。

 なぜなら士郎君が学校を休んだから。
 怪我が酷くて来れないのかな?
 それともアーチャーという事
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