番外編 名門袁家のお嬢様と黄巾の乱
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の前で組んで、心の底から安心しましたわ。
正宗様がお強いのは承知していますけど、心配で眠れない日が何度もありましたわ。
その心配からやっと解放されますのね。
「洛陽に戻ったら、劉正礼は陛下から褒美を貰うことになるじゃろう。それで、少し早いかもしれないが、劉正礼と御主の婚礼を執り行なおうと思っておる。揚羽の婚礼は御主の婚礼の数日後じゃ。既に、劉家、袁家、司馬家の者達とは内々に応諾をいただいておる。御主の気持ちは一応聞いておきたい」
私は何進様の言葉に心臓の動悸が止まりませんわ。
「まさかと思うが嫌なのか?」
何進様は私が黙っていたので、拒否している思っているようでしたわ。
「そ、そんなことあるわけがないじゃありませんの!」
私は椅子から立ち上がり、大声で何進様の言葉を否定しましたわ。
なんで、私が正宗様との婚礼を拒否しなくちゃいけませんの!
「ああ、そうか・・・・・・。そんなに恐い顔をせんでもいいではないか・・・・・・」
何進様は私の剣幕に引いていましたわ。
「やっと、正宗様と正式に結ばれますのね・・・・・・。オホホホホホ――――――、この日をどんなに待ちわびたことでしょう」
私は心が高揚して、何進様の前にも関わらず高笑いをしてしまいましたわ。
「ところで、麗羽。初夜の作法は心得ておるのか? 最初が肝心と思うぞ。もし、粗相をしては劉正礼に嫌われるかもしれぬ」
何進様は意地の悪いニヤケ顔で言いました。
「オホホホホ、この私、それくらい知っていますことよ」
私は顔が灼けるように熱いを手で扇ぎながら、平静を装いました。
新婚初夜・・・・・・。
密かに手に入れた本で勉強をしていますが・・・・・・自信がありませんわ。
「くく、麗羽は愛いのう。同じ女として、御主に教授してやらんでもないぞ」
「えっ! 本当ですの」
私はつい何進様の悪魔の囁きに耳を貸してしまいましたわ。
「何進様、見返りは何でしょう?」
私は不安気な表情で何進様に尋ねました。
「そうじゃの・・・・・・。御主は私の娘みたいな存在じゃ。そう値の張るものは要らぬ。初夜の結果をこっそり教えてくれぬか?」
何進様は冒頭心温まる言葉で私を感動させましたが、終わりは最悪の言葉でしたわ。
この人、頭がおかしいんじゃありませんの?
「なっ! なんで私がそんなことを話さなくちゃいけませんの」
私は顔を紅潮して何進様に抗議しましたわ。
「そんなに怒ることもないではないか・・・・・・。私はこの年になっても良い伴侶に巡り会って居らぬのじゃ。哀れな妾に潤いを与えてくれても良かろう。うううう」
何進様は急に泣き崩れて、目の端を絹の布で拭いましたわ。
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