第十五話 雨は駄目その七
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「これも難しいわね」
「アカペラじゃキーボードじゃなくてそれだけれどな」
「ええ。チェッカーズがよくアカペラもしてたらしいけれど」
ここでもこのグループの名前が出る。里香はパーカッションを動かし鳴らし続けながら美優にさらに言う。
「アカペラだとこれだからね」
「だよな」
「これも練習しないといけないけれど」
アカペラもやるのならだ。プラネッツは実際にアカペラも考えている。
「難しいわね」
「だよな、あたしも小さな太鼓練習していくか」
「私達はやっぱりこれよね」
琴乃は今もギターを手にしている。
「ギターよね。アカペラでも」
「あっ、ギターとかベースはね」
里香も琴乃に応えて言う。
「そうよ」
「そうよね。じゃあこのままね」
「それにしても何かね」
彩夏は自分が手にしているギターを今も鳴らしている。だがそれでもだった。
「本当に普段使ってるのじゃないと」
「違うわね」
景子もそうだと言う。
「微妙にね」
「そうよね。だったらね」
「カラオケでも自分の楽器を持ち込む?」
彩夏はこう提案した。
「そうする?」
「それね。お店にお話して聞いてみる?」
自分達の楽器を持ち込んでいいかどうかというのだ。
「ドラムとキーボード以外は持ち込めるし」
「してみるか。あたし達はお店から借りてな」
丁度ここで歌は美優の番になった。それでバチを置いてマイクを手に取ってからこう景子に対して応えた。
「そうするか」
「ええ、それじゃあね」
「何かこの町って結構バンドの練習が出来る場所だな」
「いい町よね」
景子も微笑んで美優に応える。
「そうした面でもね」
「だよな。じゃあ今度な」
「今度って?」
「いや、お寺な」
美優はこちらに話題を変えた。伴奏がはじまりだしている。
「そこに行くのは何時だろうな」
「休日だといいけれど」
提案者の里香も言ってきた。
「その時にね」
「休日に雨なの」
それを聞いて琴乃は無意識に顔を曇らせて言った。
「それはちょっと」
「うん、休日に雨って嫌よね」
「あまり気持ちよくないけれど」
休日は晴れでその時に遊びたいというのだ。
「けれどなのね」
「うん。本当にあのお寺今の時期は雨がいいから」
里香はどうしてもこう言うのだった。
「だからね」
「雨の時にこそ行く」
「そうするのね」
「あっ、勿論楽器はね」
琴乃達が常に持ち帰っていて背負っているギターやベースはどうするかともちゃんと話す里香だった。
「置いていってね」
「雨で濡れるからよね」
「ええ、だからね」
まさにその通りだった。琴乃にもはっきりと答える。
「お家か部活に置いていってね」
「それでよね」
「そう、行こう」
こう言って八
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