第十五話 雨は駄目その五
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「この色大好きなのよね」
「梅雨にオレンジってね」
「合わないでしょ」
「お日様の色だからね」
「お日様じゃなかったらオレンジそのものね」
まさにそうした色だ。目にも刺激的だ。
「梅雨じゃないわよね」
「うん、確かにね」
「琴乃ちゃんの黄色もだし」
この色も太陽か柑橘類の色である。やはり明るい。
「あまり梅雨向きじゃないね」
「どうもね」
二人は梅雨は好きではない、だがここでだ。
里香はその二人に言う。尚彼女のジャージは青、景子は赤で美優は緑とそれぞれの色のジャージである。
そのジャージ姿で話をするのだった。
「それでも雨が降らないとね」
「そうよね。お米が育たないわよね」
「飲み水もなくなるから」
琴乃も彩夏もこのことはわかっている。
「梅雨に雨が降らないとね」
「困るわよね」
「そうよ。それに私はね」
「里香ちゃんは?」
「っていうと?」
「実は梅雨嫌いじゃないの」
むしろ好きな方である。里香はそうだというのだ。
「雨もあるし。それにね」
「それにって?」
琴乃は里香のその言葉に問うた。
「それにっていうと」
「梅雨には大好きな花があるから」
微笑んでの言葉だった。琴乃の顔を見て。
「だからね」
「それで梅雨好きなの」
「今度見に行かない?」
里香は自分から提案した。
「八条寺まで」
「八条寺っていったら」
琴乃はその寺の名前を聞いて目を少ししばたかせて述べた。
「学校のすぐ傍にある」
「そう、あのお寺よ」
「あのお寺に何か咲いてるの?」
「行けばわかるから」
その八条寺にだというのだ。
「その時にね」
「そうなの」
「雨の時に行けば一番いいかもね」
里香はにこりとしてこうも言った。
「その時にね」
「雨の時って」
「そうすれば琴乃ちゃん達も少し梅雨を好きになってくれるかも知れないし」
「それでなの」
「雨も。梅雨もいいものだから」
青いジャージ姿での言葉だ。
「だからね」
「じゃあその時になのね」
「雨になったら八条寺に行こう」
里香はまた琴乃に言う。
「そうしようね」
「あたしも行っていいか?一緒に」
「私もいいかしら」
美優と景子も話に入ってきた。
「あのお寺あまり行ったことないしさ」
「何があるか興味出て来たから」
「だから一緒にな」
「行っていい?」
「そうよね。私達って五人のグループだから」
里香もこのことを意識して美優と景子に答えた。
「八条寺でもね」
「ああ、一緒に行こうな」
「五人でね」
「そうしよう。じゃあ雨の日に五人一緒でね」
プラネッツ全員で行くことになった。だが暫くは雨は降らず平和なままだった。それでカラオケにも行って楽しんだ。
カラオケ
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