第十四話 成果その三
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「近代文学を考えてるけれど八条大学の文学部と語学部って偏差値同じなのよ」
「ふうん、そうだったの」
「五十八だから」
それが二人が目指す学科の偏差値だった。
「高いか低いか微妙だけれどね」
「高くないか?結構」
美優は五十八の偏差値からこう言った。
「それだけあれば結構勉強しないと駄目だろ」
「私もそれなりに勉強してるつもりだし」
「私も」
琴乃も彩夏もこの辺りは同だった、やはり勉強は意識しているのだ。
「だったらやっぱり」
「レベル高いかしら」
「あっ、あたしは社会学部だけれどさ」
美優は八条大学のそこを志望していた。
「そこの偏差値はどれ位だったかな」
「五十九よ」
彩夏は社会学部の偏差値も答えた。
「それだけ」
「ちょっと高いな」
「うん、一だけれどね」
「あたしも今の点数で入られるか?」
「八条高校の普通科で平均点七十五だといけるわよ」
彩夏、美優と同じ位の点数ならというのだ。
「安心していいわよ」
「じゃあ三年間この調子でいけばいいんだな」
「うん、そうよ」
「そうか。じゃあ頑張るか」
「何か皆の成績と志望の学部がわかってきたけれど」
琴乃は彩夏と美優の話を聞きながらこう言った。
「後はね」
「私?」
「うん、里香ちゃんはどうなの?志望学部はわかってるけれど」
彼女は医学部だ。それはわかっているというのだ。
「平均点は」
「言っていい?」
こう前置きする里香だった。
「そうしていい?」
「うん、どれ位なの?」
「九十三点だけれど」
「えr、それだけ」
「うん、それだけだけれど」
「かなり凄いじゃない」
琴乃はその点数を聞いて目を瞠った。
「予想はしてたけれど」
「予想してたの」
「うん、そうだったけれど」
予想はしていてもだというのだ。
「けれどやっぱりね」
「何かそう言われると」
「恥ずかしいの?」
「ええ」
里香は実際に貌を赤くさせた。走っていて血行がよくなっているので最初からそうだったが今は余計にそうなっていた。
「私褒められるのはね」
「あっ、苦手だったわね」
「恥ずかしいから」
文字通りそれが理由だった。
「だからね」
「それでなのね」
「ええ、だから」
こう琴乃に言う。
「ちょっと止めてね」
「けれどそれって」
「琴乃ちゃんは嫌なの?」
「人って褒めて伸びるじゃない」
琴乃はこう里香に返す。
「だからね」
「よくそう言われるけれど」
「じゃあ里香ちゃんお父さんやお母さんに褒めてもらわないよ?」
「お父さんもお母さんもとても優しいから」
里香はその返事を言う。
「だからね」
「褒めてくれるわよね、里香ちゃんのこと」
「お兄ちゃんとお姉ちゃんもね」
兄
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