第15話
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上条を肩で担ぎながら小萌先生の家に目指すがある事に気づく。
(そういえば、先生の家ってどこだ?)
歩いていた足が止まり考える。
此処は第七学区でも結構な広さがあるので、その中で小萌先生の家を特定するなど非常に時間がかかる。
上条の記憶を覗こうにも幻想殺しが邪魔をして記憶を覗けない。
麻生は携帯を開け電話帳を見るとそこにある人物の名前が載っていた。
黄泉川愛穂。
彼女は小萌先生と同じ学校の教師なので、もしかしたら住所を知っているかもしれないと麻生は考え電話をかける。
「お前から電話をかけてくるなんて珍しいじゃん。」
ワンコールで出たので暇を持て余しているのだな、と麻生は思う。
しかも心なしか楽しそうな声で出たので何かいい事があったのか、と考えるが今はその事を聞いている場合ではないと思い用件だけ話す。
「愛穂、小萌先生の家の住所を知っているか?」
「・・・知っているけど知ってどうするの?」
さっきまで楽しそうな声だったのに、一気に不機嫌そうな声で答えるので麻生は本当に何があったんだ、と真剣に考える。
「いや、少しあの先生に届け物があってな。」
「それって授業の提出物とか何か?」
全然違うが事情を説明してもややこしくなりそうなので適当に答える。
「そうだ、いざ渡そうとしても住所が知らなくて困っているんだ。」
「なら、全然オッケーじゃん。」
さっきまでの不機嫌な雰囲気はどこにいったのか、住所を教えて貰い麻生は通話をきる。
きり際に愛穂は何か言っていたが、今は長話している暇はないのですぐにきる。
愛穂に教えて貰った住所を携帯のGPSを使い場所を特定してそこに向かう。
そこには超ボロい木造二階建てのアパートで通路に洗濯機に置いてあり、見た限り風呂場はないようだ。
本当に此処に住んでいるのか、と麻生は疑ったが二階の一室のドアが開くとそこから小萌先生がちょうど出てきた。
「あれ、麻生ちゃん?
どうして先生の所にって、上条ちゃんどうしたんですか!?」
肩に担いでいた上条を見て慌ててこちらに走ってくる。
麻生は詳しい事は話さなかったが、傷の具合を説明すると小萌先生に預けてこの場から去ろうとする。
「麻生ちゃんはどこに行くのですか?」
「用が済んだから寮に帰るんですよ。
此処まで運んできたのはアフターサービスだが。」
そう言って麻生は去っていき、ある程度歩いて周りに誰も居ない事を確認すると自分の右腕を確認する。
麻生の右手は青く腫れ上がっていた。
あの時、神裂の唯閃を受け止めた時その衝撃を直に伝わったからである。
(さすがに身体強化なしで厳しかったな。)
そう思いながら能力を発動して全身の怪我や痛みを治し
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