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とある星の力を使いし者
第15話
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足元にはインデックスが気絶していた。
麻生が持っていた短剣は破戒すべき全ての苻(ルールブレイカー)
あらゆる魔術による生成物を初期化する短剣である。
索敵魔術に反応したのはステイルと神裂と上条だけだった。
麻生は自分に結界を張る事で自分の存在を隠し、索敵結界を潜り抜けた。
聖域は破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)で破壊して、最後に破戒すべき全ての苻(ルールブレイカー)で首輪を破壊したのだ。
ステイルと神裂はインデックスに駆け寄り、インデックスが無事である事を確認するとホッ、と胸を撫で下ろした。
麻生はある医者に電話をして救急車を呼ぶのだった。








朝になり麻生は右手にリンゴを一つだけ持ちながら病院の中にいた。
そして、ある病室に向かって歩いていると聞き覚えのある絶叫が聞こえ、その病室からインデックスが傍から見ても分かるくらい怒った足取りで出ていく。
インデックスと入れ替わるように麻生は病室に入るとそこにはカエル顔の医者と上条がいて、上条は一瞬驚くがすぐに表情を変え話しかける。

「よ、よう、・・・えっと。」

「無理に馴れ馴れしく話さなくてもいい。
 どうせ、何も覚えていないだろう。」

上条は自分が記憶消失である事を、なぜこの男が知っているのか分からず驚いている。
上条はあの光の羽を頭に直撃したせいで、脳細胞が破壊され記憶を失ってしまったのだ。
麻生はそこの先生に教えて貰ったと話す。

「そうだったのか。
 それで名前は?
 俺とどういった関係?」

「名前は麻生恭介、高校もクラスも一緒で学生寮も隣の部屋だ。
 ただそれだけの関係だ。」

麻生はリンゴの皮をナイフ(どこから出てきたのか上条には分からない)で剥きながら答える。

「それじゃあ俺と友達なのか。」

その言葉を聞いてピタッと麻生の手の動きが止まる。

「なぜそんな答えに辿りつく。」

「だってクラスも一緒で部屋も隣なんだろう?
 それでわざわざ見舞いに来てくれるって事は友達じゃあないのか?」

「これはお前が記憶を本当に失っているのか確かめに来ただけだ。
 リンゴはそのついでだ。
 お前の為じゃない、自分の為に来ただけだ。」

麻生の答えを聞いて上条は少しだけ考えて言った。

「お前ってもしかしてツンデレなのか?」

それを言った瞬間、麻生はものすごい目つきをして上条を睨む。
そして、中途半端に皮を剥いたリンゴを上条の口の中に強引に押し込みそのまま病室を出ていく。
上条は思った、こいつは一生デレる事はないツンデレだと。
麻生は来るんじゃなかったと後悔しながら病院を出る。
すると、前にはステイルと神裂が立っていたが麻生は特に声をかける事無く、二人の間を通り抜けていく
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