第十四話 成果その一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第十四話 成果
中間テストの結果が全てわかった。その結果は。
「数学がね、本当にね」
「上がったのね」
「それもかなり」
「うん、そうなのよ」
放課後の部活の時だ。琴乃はプラネッツの面々と一緒に校内をジャージ姿で走りながら話した。当然部活のトレーニングのランニングでだ。
走りながらそのうえで中間テストのことを話すのだ。
「もうね。段違いよ」
「具体的にどれだけなのよ」
赤のジャージの景子が黄色のジャージの琴乃に問うた。
「何点から何点位あがったのよ」
「四十点が六十五点よ」
「二十五点ね」
「うん、それだけ上がったの」
「ってことは赤点の心配はないわね」
景子はその話を聞いて微笑んだ。八条学園普通科の及第点は四十点だ。
「安心ね」
「正直嬉しいわ」
「赤点すれすれって怖いからね」
「結構以上に怖いわよ」
琴乃もこのことは言う。
「もう少しでって思うとね」
「そうよね。けれどこれで琴乃ちゃんも大丈夫ね」
「他の教科は元々大丈夫だったから」
そちらは何の心配もなかった。
「全教科大丈夫よ」
「よかったわね。私もね」
「景子ちゃんもよね」
「ええ。全部オッケーよ」
景子は微笑んで琴乃に答えた。
「平均点は七十位ね」
「それ位なのね」
「七十五かしら」
もう五点プラスされた。
「それ位よ」
「結構よくない?」
「そうかも。ただ高校に入るとどうしても赤点を意識してね」
四十点以下だ。八条学園の場合はそうなる。
「それさえ取らないといいとか思わない」
「確かに。そう思うかも」
「で、琴乃ちゃん平均点は」
「景子ちゃんと同じ位よ」
つまり七十五点位だというのだ。
「数学は六十三点だったけれどね」
「で、他の教科も入れたら」
「大体それ位よ」
「他の教科の点がいいのね」
「暗記科目は得意なのよ」
琴乃はとかく文系だ。そちらにかなり偏っていると言ってもいい。
「昔からね」
「琴乃ちゃん確かに記憶力いいわね」
「うん、だからそっちは得意なのよ」
科目で言うと現国や地理はだというのだ。
「自信あるから」
「今度教えてくれる?」
景子は琴乃の話に切実な顔で問い返した。
「そうしてくれたら嬉しいけれど」
「その現国とか地理とかを」
「ええ、そうしてくれる?」
「いいわよ」
琴乃はにこりと笑って景子のその申し出を快諾した。
「それじゃあ頑張ろうね、一緒に」
「期末はお願いね」
「その代わり私も数学教えて欲しいから」
「六十三点でも?」
「油断するとすぐに落ちそうだから」
それこそ及第点以下になりかねないというのだ。琴乃は数学についてはまだ自信がないのだ。
「だからね」
「それ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ