第十三話 テストの結果その十
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「わかったわね」
「ええ、それじゃあね」
娘も母の言葉に頷き制服姿のままで風呂場に向かった。そしてそこで身体を清め酒も抜いてからリビングに戻った。当然服も着替えている。
ラフなクリーム色のズボンと黄色いシャツといった姿の娘を見てまた言う母だった。
「そう、お家の中でもよ」
「ちゃんと着ないと駄目よね」
「絶対にね。お母さんいつも言ってるわね」
「お母さんそういうことには厳しいわよね」
「レデイーたれ紳士たれよ」
こうも言う母だった。琴乃は話をしながらリビングのテーブルに座った。そこにはもう夕食が用意されていた。
琴乃はおかずの青菜を薄揚を切ったものと一緒に炊いたものと鰯を何匹か焼いたもの、そして豆腐と若布の味噌汁、それに白い御飯を見て楽しそうな顔で述べた。
「いい感じよね」
「どう?美味しそうでしょ」
「うん、特にね」
「特にどれがいいかしら」
「鰯ね」
琴乃はその鰯を焼いたものを見てにこにことしていた。
「これがいいわね」
「琴乃ちゃん昔から鰯好きよね」
「そうなのよね、子供の頃からね」
「鰯って身体にいいのよ」
母は鰯のことを言う。
「カルシウムも多いし血がさらさらになってね」
「そうよね。健康にもいいし」
「そう、だからどんどん食べてね」
「和食も勉強しないとね」
琴乃はいただきますから味噌汁を一口飲んでから述べた。
「ふう、やっぱり最初はね」
「お味噌汁?」
「それはお吸い物か」
スープも入る、何にしても汁ものだ。
「それを一口飲んで」
「それから食べるのね」
「うん、やっぱりそれからね」
「もう皆食べたから食べ終わったらね」
「食器は食器洗いに入れて」
「そうして回しておいてね」
「わかったわ。それじゃあね」
「ゆっくり食べていいから」
母は娘に優しい声で述べた。
「そしてたっぷりとね」
「食べていいのね」
「育ち盛りは食べないとね」
母は持論も出す。
「だから食べなさい」
「いつも有り難う」
「お礼はいいわ。それはそうとして」
「今度はどうしたの?」
「テストの方はどうだったの?」
娘に対する問いとしてはこれまた非常にオーソドックスなものだった。
「そっちはどうだったの?」
「いつも数学は駄目だけれど」
「それだけはね」
母もわかっているという口調だった。
「だって琴乃ちゃん覚えること専門だから」
「そうなの。けれど今回はね」
「いけたお?」
「まずは公式を覚えたから、数学の」
「結局覚えるのね」
「それでやってみたから」
「大分ましなのね」
琴乃の数学の成績は母もよく知っているのでこう言った。
「というか数学だけいつも飛びぬけて悪いから」
「それで損してるっていつも言われてたわ」
「実際に
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