第十三話 テストの結果その九
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「あの娘横浜ファンじゃない」
「うん、そうだけれど」
「お楽しみメニューってあの娘が決めてるのよ」
「あっ、お料理も作ってるの」
「お店の上って居酒屋でしょ」
「うん。白鯨ね」
同じ家が経営している店だ。
「あそこから持って来てるのね」
「そうなの。それでお楽しみメニューはあの娘が決めてて」
「じゃあまさかベイスターズが巻けたら」
「お酒に会わないメニューが出て来るのよ」
「お客さんへの八つ当たり?」
「違うの。あの娘が適当に考えて出すメニューがいつもそうなるのよ」
ベイスターズが負けると酒に合わないメニューが出て来るというのだ。彼女が意識せずに出すそれがだ。
「何故かね」
「ある意味凄いわね」
「とにかく。ベイスターズが負けている時はね」
「お楽しみメニューが駄目なのよ」
「そう、鬼門だから」
まさにそれだというのだ。
「止めた方がいいわ」
「わかったわ」
琴乃も里香のその言葉に頷いた。そしてだった。
この日は歌と酒だけに集中した。それはバンドの練習も兼ねていた、それで満足した顔で家に帰るとすぐに母にこう言われた。
「飲んできたでしょ」
「わかる?」
「顔真っ赤だから。それに」
母は琴乃が満足している顔であることも見て言う。
「歌ったわね。カラオケね」
「ちょっと皆と言ってきたの」
「部活の皆となのね」
「うん、テストも終わったからね」
「楽しんできたのならいいわ。けれどね」
「けれどって?」
琴乃はリビングのソファーのところに鞄を置いて制服の上着を脱ごうとする。そうしながら母に対して問うたのだ。
「飲み過ぎとか?」
「それもあるけれど今はね」
母は上着に手をかけた娘にさらに言った。
「ここで服は脱がないでね」
「自分のお部屋でってことなのね」
「そう。ここで脱いだら駄目よ」
母が言うのはこのことだった。
「ひょっとしなくても脱ぐつもりでしょ」
「あっ、そういえば」
「まずはお風呂入ってきなさい」
娘にこう告げた。
「それでお酒抜いてからね」
「着替えてよね」
「晩御飯はあるから」
「お父さん達はもう食べたの?」
「とっくに食べたわよ」
「そうなの」
「だからまずはお風呂に入ってお酒を抜いて」
そしてだというのだ。
「晩御飯にしなさい。いいわね」
「もう八時なのね」
リビングにあるそれを時計を見ればそうした時間だった。
「何か早いわね」
「随分歌ってきたみたいね」
「それで飲んできたけれど」
「スタープラチナね」
母はその店の名前も言った。
「そこよね」
「わかるの?」
「わかるわよ。フリータイムフリードリンクで九八〇円ね」
母はカラオケのお金の話もした。
「というかあのお店って八条学園の生徒は
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