第十三話 テストの結果その七
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琴乃はその下校中に四人にこんな話もした。
「今日はちょっとね」
「ちょっとって?」
「何処か寄ってかない?テストも終わったし」
こう提案するのだった。彩夏に応える形になっている。
「そうしない?」
「何処かって何処よ」
彩夏は首を傾げさせながら琴乃に問い返す。
「色々な場所があるけれど」
「カラオケだけれど」
「カラオケっていったら」
「そう、スタープラチナだけれどね」
八条学園の生徒達にとって馴染みのカラオケボックスの一つだ。琴乃達も普段から結構利用してきている。
「そこね」
「そうね。それじゃあね」
「彩夏ちゃんはそれでいい?」
「ええ、いいと思うわ」
彩夏は琴乃にあっさりと答えた。
「そこでね」
「ええ、じゃあ決まりね」
「私はいいけれどね」
ここで琴乃はこうも言った。
「けれど皆は」
「私もそれでいいけれど」
「私もね」
里香と景子はにこりと笑って琴乃に答えた。
「結構時間あるし」
「それならいいと思うわ」
「じゃあ美優ちゃんは」
「楽器演奏できたら最高だよな」
美優はにこりと笑ってこう言った。
「けれどそれがなくてもな」
「いいのね、それで」
「ああ。楽器が使えないなら使えないでやり方もあるしな」
美優はかなり前向きな性格だ、だからここでもこう言ったのである。
「それじゃあな」
「うん、それじゃあね」
琴乃は美優の言葉に笑顔で応えてそれから五人でそのカラオケボックスに入った、店に入るとカウンターにだった。
横浜ベイスターズの昨日のし合い結果が出ていた。今日もだった。
「派手にね」
「ああ、負けてるな」
美優が景子に応える。
「広島が相手で」
「完封負けか」
「しかも十点も取られて」
「今日も派手に負けたな」
「ベイスターズ今年もまずいわね」
「最下位じゃねえのか?」
美優は首を傾げながら言った。
「今年最下位になったら何年連続だろうな」
「どうなのかしら。それにしてもこの弱さって」
「一時の阪神より凄くないか?」
「凄いでしょ」
あの暗黒時代の阪神以下だとさえ言われる。
「もう光が見えないっていうかね」
「文字通りの暗黒時代だよな」
「これはもうどうしようもないわ」
「何時強くなるんだろうな」
「一年や二年じゃ無理でしょ」
彩夏は昨日の横浜の試合結果を見て言った。
「随分前に優勝したけれどね」
「あたし達が知らない時代だよな」
「まだ二十世紀だったわ」
もう二十一世紀になって結構経つ、だがそれもなのだ。
「その頃ってね」
「すげえ昔に思えるな」
「確かその優勝が三十八年ぶりだから」
相当時間が経っている。ここまで優勝のブランクがあるというのも滅多にないことである。
「今度は
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