第十三話 テストの結果その五
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「それをたっぷり入れてね」
「夜食の完成ね」
「お母さんも出来るだけのことはしてるから」
夜食がすぐに出来る様にしておいたというのだ。それは琴乃がいい成績を取れる様にしておいたのである。
「頑張ってね」
「うん、それじゃあね」
こう二人で話して琴乃は夜食のうどんも食べてそうして勉強を頑張った、そしてだった。
テストも万全の状況で受けた。それが終わってから。
琴乃は確かな顔でこう言ったのだった。
「今回は何とかね」
「大丈夫だったの?」
「成績あがったの?」
「結果が返ってきてから言うべきだけれど」
下校で校門を潜りながら四人に言うことだった。
「中学の頃よりいけたと思うわ」
「というか琴乃ちゃんさ」
センターにいる美優が自分から見て右にいる琴乃に顔を向けて言った。
「本当に今まで公式覚えないで数学やってたのかよ」
「うん、そうだけれど」
「よくそれで問題できたな」
解けること自体がだというのだ。
「テストでもとりあえず最低限の点数は取れてたんだよな」
「何とかね」
「しかもこの高校にも受かって」
「そうだけれど」
「数学ってまず公式だけれどな」
それを覚えないと話にならないというのだ。
「それでよくできたな」
「あれじゃないの?」
ここで言ったのは彩夏だった。美優から見て右端、琴乃の右手にいる。
「やってるうちに感覚では覚えてたとか」
「それか?」
「やってれば覚えるからね」
これは勉強全体に言えることだ。
「だからね」
「数学の公式もかよ」
「はっきりとじゃないけれど」
「覚えててか」
「何とか出来てたんじゃないかしら」
「けれど頭で完全じゃないからか」
美優は今度は彩夏、琴乃の隣にいる彼女を見ながら言った。
「それでか」
「そうじゃないかしらって思うけれど」
「有り得るな、それも」
美優は彩夏の話を聞いて顔を正面にやって頷いた。
「それもな」
「でしょ?ただね」
「ただ?」
「琴乃ちゃんって本当に文系ね」
彩夏もこう言うのだった。琴乃に顔を向けながらそうした。
「覚えること一辺倒じゃない」
「本当に覚えるのは得意なのよ」
琴乃自身も彩夏に貌を向けて答える。
「すぐに覚えられて忘れないから」
「だからなのね」
「そう、文系は得意なのよ」
「けれど理系は」
「算数の時からなのよ」
小学校のその頃からだというのだ。
「あまり好きじゃないし」
「苦手なのね」
「何かね。覚えてそれで終わりじゃないっていうのが」
「駄目?」
「かなり駄目なの」
「だから物理もなのね」
「高校の理科が選択でよかったわ」
こうまで言う程だった。
「生物と化学だけにするから」
「その方がいいみたいね」
「とにかく。数
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