第十三話 テストの結果その三
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「例えばラムレーズンだってアメリカの言葉だし」
「あっ、そうなの」
「アメリカじゃ紅茶はレモンティーだし」
「イギリスはミルクティーなのね」
「そこもかなり違ってきてるのよ」
「そうなのね」
「で、どっちにするの?」
クラスメイトは進学の話を尋ねた。
「アメリカにするの?それとも」
「イギリスってお料理凄くまずいっていうし」
琴乃は苦笑いになってこのことを言った。
「だからね」
「アメリカにするのね」
「アメリカの方が美味しいらしいけれど」
「あっ、それ本当よ」
茶髪のクラスメイトが言ってきた。
「私両方に行ったけれど」
「アメリカの方がずっといいの」
「イギリスは駄目」
彼女はまずはこの国の料理への駄目出しからはじめた。
「論外、日本だと漫画で出て来るレベル」
「そこまでまずいのね」
「お店を出したら三日で潰れるまで」
ここまでこき下ろす。
「まず過ぎてかえって評判になるかも知れないけれど」
「それでハギスってお料理は?」
琴乃はふとこの料理のことを思い出して尋ねた。
「どうなの?」
「ハギス?」
「スコットランドの料理であるって聞いたけれど」
それで琴乃も問うたのだ。
「何か変わったお料理らしいけれど」
「ハギスね」
この娘も知っているといった顔と声ではあった。
「あるわよ、ロンドンにも」
「やっぱりあるのね」
「ロンドンにはスコットランドから来てる人もいるから」
人が来る、それは即ち料理が来ることでもある。
だがそれでもだとだ、琴乃にこうも言うのだった。
「美味しくないわよ」
「そうなのね」
「うん、はっきり言ってまずいから」
「何か色々やって作るらしいけれど」
「手間をかけても美味しくないものは美味しくないのよ」
「そうなの」
「そう。ハギスを食べる位ならね」
眉を顰めさせて琴乃に話していく。
「他の国のお料理の方がいいから」
「イギリスにいてもなのね」
「そう、マクドナルドに行った方がいいから」
言うまでもなくアメリカである。
「それか中華料理か」
「和食は?」
「高めだけれどそっちの方がいいからね」
「ううん、イギリスって本当に」
「琴乃ちゃんティーセット好きよね」
「自分で作るけれどね」
紅茶だけでなくスコーン、サンドイッチ、そしてケーキもである。
「日本人が作る方が美味しいって」
「考えてみれば凄い話だけれどね」
「イギリスって何なのかしら」
「少なくとも食べ物は絶望的だから」
このことは間違いなかった。琴乃もこれまで何度も聞いてきていることだが再認識することになっていた。
「どうにもならないわよ」
「ううん、イギリスって」
「イタリアの方がずっといいわよ、お料理は」
「お勉強
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