第十三話 テストの結果その一
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第十三話 テストの結果
中間テストが近付いていた。琴乃は自分のクラスでうんうんと唸っていた。
その彼女にクラスメイトが怪訝な顔で尋ねた。
「風邪?」
「それ?」
「違うわよ。数学がわからないのよ」
見れば自分の席で数学の教科書を開いていた。それを目にしながら病人そのものの顔で唸っていたのである。
「全然ね」
「ってもうすぐテストよ」
「それでもなの?」
「数学わからないって」
「そんなになの」
「覚えられるものは全部覚えたけれど」
里香の言葉に従い毎日勉強する方向に変えてそうしたのだ。
「けれどそれでもね」
「数学はなの」
「駄目なのね」
「どうすればいいのよ」
琴乃はむくれた顔になってクラスメイト達に問うた。
「数学って」
「公式覚えたら?」
クラスメイトの一人が言った。
「そうしたら?」
「公式?」
「そう、数学の公式ね」
まずそれを覚えろというのだ。
「それからね」
「どうするの?」
「応用でやっていったら?問題集とか」
「そうすればいいの?」
「公式は覚えられるわよね」
そのクラスメイトは琴乃にそれは大丈夫かと尋ねた。
「そっちは」
「うん、覚えられるわ」
琴乃もクラスメイトにその通りだと答える。
「そっちはね」
「だったら。まずは覚えてね」
「それからなの」
「そう、それから問題集を解いていくのよ」
そうすればどうかというのだ。
「これが数学の基本的な勉強だけれど」
「そうなのね」
「というか琴乃ちゃんって今までどんな数学の勉強の仕方だったの?」
「ううんと。何となく」
「何となくって?」
「問題集開いて問題解いていって」
こう答えるのだった。
「そうしてたけれど」
「公式覚えずに?」
「うん、そうしてたの」
「それで数学の成績はどうだったの?中学時代は」
「他の教科は普通だったけれど」
だが数学はだというのだ。
「それだけで得点下げてて」
「駄目だったのね」100
「そうだったのよ」
「それじゃあ成績もよくならないわね」
そのクラスメイトは軽く溜息を出してから述べた。
「そんなやり方だとね」
「まずは公式なの」
「そうよ。何でそんな勉強の仕方だったのよ」
「やり方がわからなくて」
だからだというのだ。
「ほら、文系だと覚えればいいじゃない」
「まあそっちはね」
「その通りだけれど」
「だから。数学とか物理もね」
琴乃は物理の勉強の仕方もクラスメイト達に話した。
「そうしてたけれど」
「駄目駄目、それじゃあずっと数学とか成績悪かったでしょ」
「かろうじて家鴨ちゃんにはならなかったけれど」
2である。五段階評価でだ。
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