第十二話 来てくれた人その七
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「殆どサウナよ」
「サウナって」
「冗談抜きでそこまで汗かくから」
「水分と塩分は必要ね」
「絶対に欠かせないわ」
その二つはだというのだ。
「命に関わるからね」
「そうよね、やっぱり」
「それは忘れてないから」
景子は真面目に言う。
「あと冬もね
「冬もなのね」
「お汁粉とか善哉ね」
この二つだった。
「それで身体を温めることも忘れないのよ」
「中に一杯着込めていても?」
「それでもなの」
「そう、身体は冷えてもよくないから」
暑過ぎても冷え過ぎてもよくないというのだ。
「勿論お酒、御神酒だけれどね」
「それも飲むのね」
「お酒も」
「酔わない程度よ」
仕事中は流石にそうするというのだ。
「とにかく。巫女さんの服って結構難しいのよ」
「ううん、可愛いのに」
琴乃はデザインから話す。
「それでもなのね」
「そうなの。夏と冬が大変よ」
暑さと寒さが敵だというのだ。
「またそうした時期が一番忙しいのよね」
「夏と冬が」
「そうなるのね」
「まあうちの神社と八条神社は特にだけれど」
この二つの神社は夏と冬はそうだというのだ。そうした話をしながら今は八条神社にもう一人の流鏑馬が来ることを待った。暫くしてだ。
景子は朝登校中に一緒に登校する四人に笑顔で話した。
「一人来てくれたわ」
「あっ、そうなの」
「来てくれたの」
「うん、そうよ」
こう笑顔で四人に話す。登校中の景子の顔は爽やかだ。
「昨日の夜八条神社の巫女さんから携帯に連絡が来たの」
「そう、よかったわね」
琴乃は景子からその話を聞いて笑顔になる。
「それでどんな人なの?」
「まだそれはね」
「わからないの」
「昨日の夕方電話で申し込みの依頼が来たそうで」
「それ以外はなの」
「そう、わかってないの」
景子はこのことは今一つはっきりしない顔で話した。
「今日わかるけれど」
「本当にモンゴル人だったりしてね」
彩夏がここでにこりとしてこんなことを言った。
「弓と馬だから」
「正直なところその二つが出来て品行方正な人ならね」
景子は真面目な顔で彩夏に話した。
「それならいいわ」
「そうなのね」
「うん、やっぱり神社だから品行方正な人でないとね」
神様の場所だ、これは絶対のことだった。
「困るのよ」
「そうなるのね」
「まあ神社って結構色々な人が出入りして」
景子は視線を少し泳がせて神社のこの事情も四人に話した。
「ヤクザ屋さんも出入りするし」
「えっ、ヤクザ屋さんも!?」
「来るの?」
「普通に来るわよ」
景子はこう驚く四人に話す。
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