第十二話 来てくれた人その四
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「やっぱり勉強っていうのは」
「毎日してこそなのね」
「一夜漬けは身体にもよくないから」
「徹夜だから?」
「そう、徹夜は絶対によくないから」
こう琴乃に言うのだ。
「あれが一番よくないの」
「確かに体力消耗するわね」
「そうでしょ?そこから風邪になりやすいし」
里香は医者の家の娘らしく健康のことを話す。
「風邪は万病の元よ」
「それはわかってるけれどね」
「それじゃあ余計によ」
「一夜漬けは駄目?」
「そう。琴乃ちゃん少なくとも成績は悪くないし」
里香と比べれば話にもならないがそれでも悪い程ではない。
「それに覚えるの得意よね」
「勉強すればね」
「覚えられるわよね」
「うん、実は結構記憶力には自信があるの」
琴乃もにこにことして里香に答える。
「だからね」
「そうなの。だったら余計にね」
「一夜漬けじゃなくてしっかりとした勉強をしないと駄目なの」
「そう、駄目よ」
少し厳しい顔になって言う里香だった。
「徹夜は頭の脳細胞にもよくないから」
「脳細胞にも」
「かなりの数がやられるから」
「一睡もしないと」
「ましてそれが続くと」
「お昼は寝ても?」
「それなら夜に寝た方がいいから」
里香は朝方も勧める。
「とにかく一夜漬けはしたら駄目よ」
「そう言っても今回はね」
「それでも徹夜はしたら駄目だから」
「じゃあどうすればいいいのよ」
「最低でも少しは寝ないと」
睡眠が必要だというのだ。
「二時間でもね」
「寝ないと駄目なのね」
「ひょっとして本当に一睡もしてなかったの?」
「苦手な数学の時とかはね」
「最低でも二時間は寝てね」
里香の忠告はさらに真摯なものになる。
「身体に本当によくないから」
「そうなのね」
「そう。だから」
里香はこのことも言う。
「よく大学生の人とかが昔徹夜で麻雀してたわよね」
「徹マン?」
「そう、あれ」
最近では麻雀自体をする人が減っていて徹夜でする人間もいなくなっているがそれでもやる者はやるのである。
「あれは一夜漬けよりも駄目だから」
「同じ徹夜でもなの」
「だって。麻雀だけじゃないじゃない」
「ううんと、飲んだり?」
「それに煙草もね」
里香は煙草についてはこれ以上はないまでに嫌そうな顔で語る。
「あれを徹夜で、しかも密室で吸うわよね」
「麻雀だからね」
「煙草は煙草自体じゃなくて煙も身体に悪いから」
それでよくないというのだ。
「寿命を縮める元よ」
「私麻雀も煙草も吸わないけれど」
未成年だから当然にしてもだ。煙草については。
「煙草は特になのね」
「百害あって一利なしよ」
そこまで身体に悪いというのだ。
「あれは早死にの元だから」
「里香ちゃんって煙
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