第十二話 来てくれた人その一
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第十二話 来てくれた人
里香は自分の部屋でパソコンを開いてそのうえで八条神社のサイトを見ていた。そこには神社のあらゆる場所の様々な画像と神主達の笑顔があった。そして神社の歴史や祀られている神々についても書かれている。
そのサイトを見てこう言うのだった。
「確かに大きな神社よね」
「そう思うでしょ」
隣に立っている景子が応える。
「サイトを見ただけでも」
「実際にも見たけれどね」
すると余計にだというのだ。
「大きな神社だからね」
「そうでしょ。サイトは最近まであまり更新してなかったけれど」
「それが変わったのね」
「巫女さんにパソコンが得意な人が来てくれてね」
「それで変わったのね」
「そうなの。会員登録が必要だけれど掲示板も置いたし」
見ればそれもあった。
「それにブログやツイッターもはじめたし」
「リンクもちゃんとあるわね」
「そうなの。かなり変えたの」
「前はもっと殺風景なサイトだったの?」
「ただ神社のことを紹介してるだけでね」
本当にその為だけのサイトだったというのだ。
「これといって何もなくてね」
「殺風景な感じだったのね」
「そうだったのよ」
「成程ね。ああ、ここね」
里香はここで募集の欄を見た。そこにだった。
アルバイトの巫女の募集の他にちゃんと流鏑馬の募集のことも書かれていた、それを見るとこんなことが書かれていた。
「乗馬と弓道にかなり技術が必要、ね」
「そうなの。それにね」
「要面談、採用試験もありなのね」
「実技でね」
このこともしっかりと書かれている。
「見ての通りよ」
「そうね。これならね」
「大丈夫かしら」
「いけるわ」
里香はその募集のメールを見ながら笑顔になって述べる。
「これだとね」
「アピールできてるのね」
「しかも書いてあることもはっきりしてるし」
その募集条件のことである。
「冷やかしとかで来る人もいないでしょうし」
「やっぱり実技は大事だからね」
「そうなのよね。弓に馬だから」
この二つだからこそだった。
「必要よ」
「そうなるわよね」
「だからいいと思うわ」
「後は来てくれるだけね」
人が、というのだ。
「それだけだけれど」
「誰が来てくれるかしらね」
琴乃は明るい声で言う。
「一体ね」
「まあこういう可能性もあるんじゃない?」
彩夏は冗談混じりにこう言う。
「モンゴルの人とかね」
「モンゴル?」
「だってモンゴルっていったら馬じゃない」
だからだとパソコンの前の里香にも言う。
「それでなんだけれど」
「確かにモンゴル人って馬に載るし」
遊牧民であるからだ。近年は近代化の影響で都市に住むモンゴル人が増えているがそれでもモン
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