第十一話 流鏑馬その十一
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「で、そのそれぞれの直属の分教会の下にね」
「まだあるんだな」
「枝別れみたいになって分教会があるのよ」
「家系図みたいにかよ」
「そう、そんな感じであるのよ」
「それであの教会もか」
「そう、寄付は大教会に持って行って」
そしてだというのだ。
「大教会から教会本部に送られるのよ」
「それであのでかい神殿や学校や病院ができるのか」
「そうなのよ。何処の宗教団体でも同じでね」
「神社もだよな」
「そうよ。神社もね」
やはり寄付で暮らしているというのだ。
「私達にしてもほら、八条神社も」
「ひょっとしてうちの理事長さんの」
「寄付が凄いから」
「それであそこまで巨大になったんだな」
「奈良の三輪神社位の大きさがあるからね」
「いや、住吉さん位はあるだろ」
美優は八条神社に参拝した時のことを思い出しながら話した。大阪にある関西随一の神社である。
「あそこは」
「それ位はあるかしら」
「あるだろ、でかいだろ」
「確かに。言われてみれば」
「住吉さんもかなりでかいけれどな」
「そうよね。とにかくあの神社もね」
八条家からの寄付が凄いというのだ。
「そうなのよ」
「寄付ってしないといけないんだな」
「お金持ってる人はそうしたことしないといけないみたいなのよ」
「慈善事業とかもか」
「そう、しないといけないの」
こうした考えはこの時代でも健在だ。資産家も資産家で苦労や考えなければならないことがあるものなのだ。
「だからね」
「そうか。あたし達だったらお賽銭入れたりお守り買うだけなのにな」
「それも結構助かるけれど」
景子は完全に神社の娘として話す。
「あと祭事になったら呼んでね」
「それとお祓いとかもだよな」
「神社も生きないといけないから」
「せちがらい話だよな」
「現実としてそうなのよ」
景子は少し苦笑いになって話す。
「御飯を食べないと生きていられないでしょ」
「だからか」
「そう、お守りなら何時でも売ってるからね」
「じゃあその時になったら行くな」
「何時でも待ってるわよ」
景子はこのことはにこりと笑って話す。こうして多分に取り留めのない話をしてから。
琴乃達が帰ってからすぐにだった。景子は父と兄にこう言った。
「お友達に言われたけれど」
「ああ、何だ?」
「何か言われたのか?」
「流鏑馬の人を募集したらどうかっていうのよ」
「八条神社のか」
父が娘の言葉に応える。
「そのことか」
「うん、貼り紙を作って町とか学校の目立つ場所に貼って」
「宣伝をしてか」
「そう。それでネットでもね」
景子はこのことも話した。
「募集を宣伝したらどうかって」
「八条神社のホームページにだよな」
「うん、そうよ」
景子は今度
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