第十一話 流鏑馬その九
[8]前話 [2]次話
「確かに宗教団体が運営している大学は多くて」
「それぞれの宗教団体の宗派の神職の資格はね」
「そこで取れるけれど」
「あらゆる神職は」
「他にはないわ」
里香は言った。
「京都の方にはそうした大学多いけれどね」
「そうそう、京都は大学の町だけれど」
景子も里香のその言葉に乗る。
「国立大学以外はね」
「宗教団体が運営している大学が多いの」
仏教系が圧倒的に多いのは歴史が関係しているのであろう。
「浄土宗なり浄土真宗なりね」
「禅宗もあるわよね」
「結構色々とあるから」
それでだというのだ。
「けれど本当にそれぞれの宗派だけだから」
「あらゆる宗派は」
「ないわ」
八条大学の他にはというのだ。
「多分世界的にもね」
「そう思うとあの大学って凄い大学よね」
景子は腕を組んで考える顔になって述べた。
「凄く大きな図書館に博物館、美術館もあって」
「牧場もあるわよ」
里香は農学部にあるこの場所の話もした。
「それもね」
「そうよね。何でもあるし」
「とにかく何でもある大学よね、あの大学」
「じゃあ私もあの大学で」
「神主さんの資格取るの?」
「どうかしら。実は神主さん以外のね」
景子は腕を組んだままこんな話をした。
「お嫁さんに入る先tってあるから」
「神社以外にもなの」
「前にも言ったけれどお寺とか神社にいたらそっち関連のお嫁さんに入ることが多いから」
普通の家に嫁ぐ場合もあるが家の仕事柄そうした家に入ることが多いのもまた事実だ。
「そうなるからね」
「じゃあお寺も」
「日本じゃ宗派違っても普通に入られるから」
欧州ではプロテスタントのそれぞれの宗派で行われる様なものだ。かなり有り得ないのは言うまでもない。
「禅宗から浄土真宗とか」
「一緒じゃないわよね」
「実は全然違うのよ」
禅宗と浄土真宗ではだというのだ。
「勿論真言宗とかもあるし」
「同じって思うけれど」
琴乃もこのことには首を捻って述べる。
「けれどなのね」
「本当に全然違うから」
注意が必要だというのだ。
「それでも普通に嫁いだりするから」
「だから神社からお寺も」
「教会は?」
彩夏の問いだ。
「そっちはどうなの?」
「キリスト教?天理教?」
「どっちもだけれど」
「どっちもやっぱりあるのよ」
それもだというのだ。
「やっぱりね」
「何か凄い色々あるのね」
「基本は神社同士、お寺同士だけれど」
そして同じ宗派の中でだというのだ。
「そうでないこともあるから」
「じゃあ景子ちゃん巫女さんの服から」
琴乃はここまで聞いてこう言った。
「袈裟を着ることもあるのね」
「ひょっとしたらね」
景子自身その可能性を否定しない。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ