4. Blossom
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「はあー。それにしても進学校ってみんなこうなのか・・・?」
俺は思わず呟いてしまった。
ここ体育館まで来る途中にグラウンドを通ったが、煙草の吸殻やお菓子の空箱等とそれはひどいものだった。
運動部の独特な掛け声も聞こえず、校舎の学生達の話し声が聞こえるぐらいだ。
「まあ俺も久々だから少しして帰るけどな」
俺はそう言いながら体育館の扉を開ける。案の定誰もおらず、体育館の中央には自分が見慣れたバスケットボールが転がっていた。
道具の管理ぐらいしっかりしろよ、と一人ごちながら、その場にあったバスケットボールをとる。
その時ふと思った。
「暖かい・・・・。」
ボールを触ると全体的にほんのり暖かく、さっきまで誰かが使っていたのだと推測する。
取り敢えず俺はボールを右手に持ち、手首のスナップをきかせつつそのままセンターラインからリングに向かってシュートする。
ボールは鮮やかな弧を描きながらリングに吸い込まれていった。
「・・・おしっ。次は・・・・」
すかさず続いてボールを取り、独特なリズムでドリブルしていく。丁度フリースローラインに着くと、そのまま勢いを殺さずに大きくジャンプして、そのままリングにダンクを決め込む。
手に伝わる僅かな振動が心地よく、思わず手を握ったり閉じたりする。
「どうやら怪我も随分治ったぽいな」
と思わず呟いた。今日学校に遅れたのも、病院に行っていた為である。
医者には、『余り無茶に飛んだりしてはいけない』ときつい忠告を受けたが、早速無視してしまった。
『次からは気をつけよう』と思いながら、取り敢えず帰る用意をする。
どっちにしろ俺は慣らしにきたので、あって入部しにきたわけではないので当たり前だが。
帰る準備をして、いざ帰ろうと扉を開けると誰かとぶつかってしまった。
ドンッ
フラッ
「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁ」 ドサッ ガシャン ガシャン ガシャン パリン グシャッ ベキッ ゴトッ・・・
「・・・・・・あの、大丈夫ですかぁ・・?」
思わずおれはちょっと声が裏返ってしまった。
だって今『グシャッ』いったぞ!?下手したら打ち所悪くてどうかなってるんじゃないか・・・?
と俺が取り敢えず急救車を呼ぼうと携帯に手を伸ばすと、丁度起き上がりその人は何とか立ち上がったようだ。
しかし周りを見てとてもあたふたしだした。
俺もそれにつられて周りを見渡す。
・・・・・・・・うん、色々とぐっちゃぐっちゃだ。そりゃああんなこけかたしたらそうなるだろう・・。
品物を見るに、多分買い出しにでも頼まれていたのだろう。とはいっても俺にも責任があ
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