第十一話 流鏑馬その六
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「成程ね」
「鹿児島って豚食べるのよね」
琴乃は食べ物のことも話した。
「昔から」
「ああ、そうだよな」
美優も琴乃之その言葉に頷く。
「鹿児島って江戸時代から黒豚食うもんな」
「そうなの。薩摩芋だけじゃなくて」
「だよな。あたしの家って元々は沖縄だけれどさ」
歴史的には因縁のある鹿児島と沖縄だが美優も琴乃も今はそれは置いておいてそれで話をするんどあった。
「豚食うからな」
「沖縄も食べるわよね」
「山羊もだけれどな」
「足てびちとかミミガーとか」
豚の足、それに耳だ。
「何でも食べるわよね」
「声以外は何でも食べるんだよ」
沖縄ではそうだというのだ。
「内臓だってな」
「ホルモンよね」
「あれも身体にいいんだよな」
美優はにこにことして豚の内臓について話す。
「安いしさ」
「うん、お祖父ちゃんもそう言ってるわ」
琴乃もその話に乗る。
「豚は捨てる場所がないって」
「そうそう、しかも栄養があって」
「そういうのを食べてたから西郷さん達は立派になったって」
琴乃はこんなことも言う。
「よく言ってるわ」
「西郷さんなのね」
里香が言うのは人物のことだった。
「そうなるのね」
「お祖父ちゃん西郷さんを尊敬してるのよ」
「鹿児島の偉人だからなの」
「大久保さんも好きだけれどね」
ただ大久保は西郷と比べて人気は低い。謀略家だからだと言われているが実際は西郷も稀代の謀略家であった。
「西郷さんが一番みたいなのよ」
「そうなの」
「他には東郷さんも好きよ」
「東郷平八郎ね」
「連合艦隊司令長官のね」
日露戦争の英雄の一人だ。日本海海戦で歴史上稀に見る完勝を成し遂げ戦局を決定付けた人物である。
「あの人も鹿児島だから」
「そういえばそうよね」
里香も東郷のことは知っている。
「海軍は薩摩だから」
「他には黒田さんとか大山さんとか」
明治の偉人達の名前が出てくる。
「お祖父ちゃん好きな人多いのよ」
「全部鹿児島の偉人よね」
彩夏がこう突っ込みを入れる。
「琴乃ちゃんのお祖父ちゃんの好きな人って」
「実際にね。ただね」
「ただって?」
「お酒、やっぱり焼酎が好きなんだけれど」
鹿児島だからそうなるのだった。
「酔うと鹿児島弁が出るのよ」
「あれインパクト凄いよな」
美優がまた言ってきた。
「聞いてて半分わからない位にな」
「違うのよ、今の鹿児島弁じゃなくて」
「えっ、違うのかよ」
「昔の鹿児島弁、薩摩弁なのよ」
「どんな感じだよ、それって」
「全く別の言葉なのよ」
琴乃はこのことは真顔で話す。
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