第十一話 流鏑馬その二
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「許可を得ているものじゃないと」
「貼っても引き剥がされるから」
「そうなるわよね」
「だから。ちゃんと許可を得て」
里香はさらに言う。
「貼り紙も何処にも貼るんじゃなくて」
「決まった場所に貼るのね」
「誰でも見る様な場所ね。そうした場所に貼ればいいの」
「部活の連絡板とか?」
「そう、学校のね」
その連絡板にだというのだ。
「そこだと生徒も先生も見るからね」
「誰でもよね」
「色々な場所に貼っても皆が見るとは限らないから」
見られなければ意味がない、この観点からの言葉だった。
「決まった、確かな場所に集中的に貼れば」
「宣伝になるよね」
「そう、そうしたらいいから」
こう景子に話す里香だった。
「幼稚園から大学までね」
「わかったわ。それじゃあね」
「後は」
里香はさらに言う。
「学校だけじゃなくて」
「他の場所も?」
「そう、駅前もだし」
そこもあった。
「後は皆がよく行く様なお店にも貼らせてもらうから」
「それ何処がいいかしら」
「例えば百貨店とかスーパーとか」
そうした店にだというのだ。
「後コンビニとか」
「色々なのね」
「商店街の入り口にもね」
そこもいいというのだ。
「要所にここぞといった感じでね」
「貼っていけばいいのね」
「そう。量より質で」
軍等で言われていることと逆の言葉だった。
「その質も増やすの」
「その考えでいくのね」
「宣伝をするならその方がいいと思うわ」
「わかったわ、それじゃあね」
「後は」
「まだあるの?」
「貼る宣伝とね」
里香は落ち着いた顔で景子に話す。彼女も羊羹を食べておりその味と歯ざわりを楽しみながらこう言うのだった。
「インターネットかしら」
「あっ、ネットでも宣伝するの」
「ネットは皆が見るから」
日本どころか世界のだというのだ。
「だからいいと思うわ」
「ネットね」
「神社のホームページがあったらね」
「あるわよ」
この場合は都合のいいことに、だ。
「八条神社のホームページよね」
「そう、そこにね」
「流鏑馬募集って載せればいいのね」
「それでいいと思うわ」
「それで誰か来てくれるかしら」
「ネットは全世界に宣伝するものだから」
里香は景子にこのことをまた言った。
「だから町内とか校内で宣伝するのよりもね」
「効果があるのね」
「その可能性があるわ」
「そうなのね。じゃあ」
「そもそも流鏑馬って出来る人は限られてるけれど」
これはどうしてもだった。しかし里香はそれでもだというのだ。
「いないって訳じゃないからね」
「だからなのね」
「うん、やってみよう」
里香は微笑んで景子に話す。
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