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学園黙示録 Highschool Of The Dead 〜壊れた世界と紅の狼〜
蒼騎真紅狼の過去
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い理由だ」
喉が渇いたので、残りを一気に飲み干して、二本目を開けた。
二人は黙っていた。
まぁ、当然か。
こんな話をされちゃあ、誰でも口はおろか声すら出せないだろう。
俺は、席を外そうと缶ビールを持って平野達が見張ってるベランダに向かおうとした時、上がってすぐ孝に出会った。
どうやら一部始終を聞いていたらしく、恐ろしい目で俺を見てきたが別に気にもしないので普通に受け流した。
「おう。平野、どんな感じだ?」
「あ、蒼騎って、酒飲んでるの?」
「俺はガキのころから酒を飲んでるから、こんなのはジュースと一緒だ」
「ハイハイ。状況はさっきと変らず。だけど、どんどん地獄に近づいて来てるかな?」
「“地獄”ねぇ………。ま、人生は楽しんだモン勝ちだし、楽しもうぜ」
「真紅狼は、この世界を順調に慣れていってるね」
「………元より、俺はこちらの世界の住人(・・)だよ。ま、ちょっと仮眠してくるから、なんかあったら起こしてくれ」
「分かったよ」
俺は、傍にあったベッドに寝転がった。
〜真紅狼side out〜
〜麗side〜
真紅狼の過去話は壮絶で辛く悲しい内容だった。
少しでも真紅狼の精神的な支えになればいいと思っていたが、そんなのは無理に等しかった。
最初から、真紅狼と私が住んでいる世界が違い過ぎていた。
10歳の子供が世界の理を悟ってしまうなんて、どこまで歪められたらそうなるのか想像が付かない。
もし、私なら………精神が擦り切れて死んでしまうかもしれない。
そう思うと、震えてきた。
「宮本くん、大丈夫かね?」
「そういう毒島先輩は大丈夫なんですか?」
「十全とはいかないが、大丈夫だよ。でも、結構堪えているがね。彼の過去は重すぎる。まるで“闇”そのものだ」
“闇”………確かにそうなのかもしれない。
でも、真紅狼は私を受け入れてくれた。
だから、今度は私の番。過去が深くて昏いモノでも私も全てを受け入れる。
私は、立ち上がって真紅狼の後を追うと、孝がそこに立ちつくしていた。
「何やってんの、孝?」
「いや………」
「ちょっとしっかりしてちょうだい」
私は孝の横を通り過ぎ、ベッドに寝っ転がっている真紅狼の横に座る。
孝が近くにいるので、嫉妬されても困るからキスは諦めることにして私は、真紅狼の腕を枕代わりにして、寝させてもらった。
「………真紅狼の味方になるって言ったもんね」
そう呟き、目を閉じた。
〜麗side out〜
〜孝side〜
真紅狼の過去を盗み聞きではあるが、一部始終を聞き僕は何とも言えない恐怖感を覚えた。
話し終えると、真紅狼は上がってきて僕は不意に睨んでしまった。
だが、真紅狼はその睨みすら軽く受
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