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学園黙示録 Highschool Of The Dead 〜壊れた世界と紅の狼〜
蒼騎真紅狼の過去
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0歳の時だ。
10歳の時、俺は小学校に両親は共働きだった。その為か、帰ってきても両親がいないなんてことはよくあったが、必ず夜七時には帰って来ていたのでさほど辛くはなかったんだがな。
とある休日、父さんと母さんは俺に内緒でこっそりと買い物に行っていたんだよ。


その日は俺の誕生日だったから、おそらく誕生日プレゼントを買いに行ったんだろう。そして、帰り道に運悪く交通事故に遭った。
警察から電話が来た時は、最初は対応できなかったな。
なんせ、電話越しでいきなり『キミの御両親が交通事故で亡くなりました』って言われても実感が湧かねぇし、そこまで理解力が追い付く訳もない。
取り敢えず、その時俺が出来ることと言ったら、受話器を置いて、家の鍵を閉めて最寄りの交番に行くことだった。


俺は交番に行って、事情を話したらすぐに警察署の人間がやってきてな、パトカーに乗せてもらって安置室に連れて行かれた。
そんで部屋に入って、見た物は父さんと母さんが冷たく横たわっていたよ。
白い布を顔に被せられていて―――



そこで、麗が手を引っ張ってきた。
目には涙を浮かべて、口には出さず『もういい』と語って来ていた。


「まぁ、最後まで聞いてくれ」
「―――真紅狼、キミは………」
「冴子、俺は『両親が死んだから心が壊れた』と思っているようだが、それは違うぞ?」
「なんだって?」
「それは、ただの“きっかけ”だよ。本当に壊れた理由はその先(・)だ。………続けるぞ?」



―――――両親の死んだ理由は相手の注意不足による激突し、その上、激突後に轢き潰されたことによる圧迫死。
要はよ、激突した後、その事に気が付いた容疑者が怖くなって轢き殺したんだってよ。
もちろん、激突時に既に死んでいたらしいんだけどよ。
最初は、マスコミの各方面はこのネタに馬鹿みたいに飛び付いて連日報道。
もちろん、ウゼェぐらいマスコミ連中が家にやってきてな………ただでさえ、両親が死んでまもないって言うのに、連中はおかまいなくやってくるもんだから精神的に疲れたな。
多分、その頃からかねぇ………“感情”というモノが無くなっていったのは。
両親を殺した容疑者はすぐに見つかったんだがな、その容疑者ってのが国家議員のドラ息子だったらしくて、親に頼んで捕まらない様に根回しをしていたらしい。


その為か、警察が令状を持って身柄を拘束しても、無罪放免というあり得ない結果で終わったのを覚えている。
警察の人達は、どうにかして捕まえようとしてくれたらしいが、そこは力が有無を言わせる世界だ。
どうにもならなかったんだよ。
その時、俺は無意識の内に分かってしまったかもしれない。
『この世は、理不尽で力の強い奴だけが世の中を動かせる』ってのをな。それで、俺は確
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