第十話 五月その三
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「それでも清酒以上に甘いから」
「そういうこと。あと」
「あと?」
「歯にも多分よくないから」
里香はこのことも言う。
「気をつけてね」
「結構危ないのね。お酒も」
「お酒も甘いから」
特に日本酒はそうである。
「気をつけないとね」
「それってワインもよね」
「あれも危ないと思うわ」
「そうよね。ジュースもだけれど」
琴乃も言っていく。
「飲みものって怖いのね」
「歯にもね」
「歯磨きね」
「琴乃ちゃんって歯も奇麗だけれど」
見ればその通りだった。琴乃の歯は白くきらきらとさえしている。それはまさに象牙の様だった、そこまでの奇麗さだった。
彩夏も琴乃のその歯を見て言う。
「本当に奇麗な歯をね」
「そう思うよね」
「うん、確かにね」
彩夏は海老フライ定食を食べながら鰯定食を食べる里香に言う。
「奇麗よね」
「虫歯なったことないわよね」
「ええ、ないわ」
実際にそうだと答える琴乃だった。
「子供の頃からね」
「じゃあ一本も?」
「欠けたこともないのね」
「歯周病も歯槽膿漏もないから」
そうした病気にかかったこともないというのだ。
「あっ、一応乳歯は抜けたから」
「それは当然でしょ」
「高校一年になったら」
里香と彩夏はそのことはすぐに突っ込みを入れた。
「それは小学校で皆抜けるから」
「それで生えかわるから」
「誰でもそうなるから」
「私達もだし」
「その頃から言われてたの」
乳歯の頃からだというのだ。
「奇麗な歯だって」
「ちゃんと磨いてるの?」
「朝と夜にはね」
一日二回だというのだ。
「朝御飯食べた後と夜寝る前にね」
「朝御飯食べた後なの」
「朝起きてすぐだと食べる前だから」
それで朝御飯の後にだというのだ。
「そうしてるの」
「成程、そうなのね」
彩夏は琴乃のその磨き方に感心して述べた。
「そういうことなのね」
「そう。出来ればお昼も磨こうかなって思ってるけれど」
「磨いた方がいいわよ」
里香はそれを勧めた。
「毎食後磨くことがね」
「いいからなのね」
「そう。歯を磨くと」
それでだというのだ。
「勿論ちゃんと磨いたらっていう条件だけれど
「磨くといいのね」
「お昼御飯を食べた後もね」
「一日三回が理想なのね」
「磨き過ぎてもよくないけれどね」
何事も過ぎたるは、ということだ。
「それでもお昼も磨くといいから」
「わかったわ。それじゃあね」
「磨く時にあれやらなかったか?」
美優は巨大なオムライスを食べながら述べた。
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